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SAP、「HANA Cloud Platform」の国内データセンターを東京・大阪に開設へ

 SAPジャパン株式会社は8日、SAP HANAをベースとしたPaaSである「SAP HANA Cloud Platform」(HCP)の国内データセンターを、東京と大阪の2拠点に開設すると発表した。東京データセンターが2016年第4四半期(10月~12月期)、大阪データセンターが2017年第1四半期(1~3月期)からのサービス提供開始を予定している。

 これまでHCPは、ドイツ、オランダ、米国、豪州にあるデータセンターから提供されていた。そのため、官公庁や金融機関など国外のデータセンターの利用を制限する厳しいセキュリティポリシーを持った組織では、HCPを利用することができなかった。SAPはアジア太平洋地域を重要な地域ととらえており、その中でも日本は特に重要なビジネス拠点と位置付けていることから、新たに日本おいてHCPの拠点を開設することになったという。

SAP HANA Cloud Platformを提供するデータセンター

 SAPジャパン 代表取締役社長の福田譲氏は、「国内クラウド事業は予想以上のペースで成長している。2015年に前年比で193%増と約3倍に増えている」と述べ、今回の拠点開設を機に、これまで慎重だった企業でもHCPの導入が進むと見込んでいるようだ。

 HCPはデータ分析エンジンや統計解析ライブラリをはじめとする構築用ツールを備えており、基幹系システムをはじめ、他のSaaSとも連携することが可能である。福田氏は「これからはシステム同氏が連携することが当たり前になる。システム同士がリアルタイムで会話できるようにならなければ、他から相手にされなくなる」と述べた。

 また、今後ツールが充実することで、最終的には業務部門のユーザー自身が簡単にHCPを利用できるようになるという。

 「HCPはテクノロジーとしてエッジが効いていることはもちろん、ビジネスのコンテキストを多く含んだサービスになっている。40年以上に渡って多くの企業のビジネスITをサポートしてきたSAPは、エンタープライズITが何を求めているのかということを最も理解している」(福田氏)。

SAPジャパン 代表取締役社長の福田譲氏