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三菱ふそうトラック・バス、トラック運用コストを比較するアプリの基盤を「SAP HANA Cloud Platform」で構築

開発期間を1/6に、初期費用を1/3に低減

 SAPジャパン株式会社と、NTTデータグループの株式会社クニエは26日、三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下、MFTBC)が、インメモリクラウド基盤「SAP HANA Cloud Platform」を導入し、トラック運用コストを比較するシミュレーションアプリ「ライフサイクルコストシミュレーター」を、約3週間で構築したと発表した。

 MFTBCの顧客となる運送業界では、原油高や円安などにより燃料費が高騰し、各社の経営は厳しい状況に置かれているという。そうした中で利益を確保するためには、迅速かつ正確な原価計算を行っていく必要があり、MFTBCではこうした状況を受け、顧客サービス強化の取り組みの一環として、「ライフサイクルコストシミュレーター」を構築した。

 このシミュレーターでは、現行の運用車両、年間走行距離、所有台数などの必要項目を入力すると、トラックの燃費や整備コストといった運用費用が試算され、MFTBC製車両を導入した場合の運用費用と、瞬時にシミュレーション比較を行える。今回、超高速で計算処理可能なSAP HANA Cloud Platformを採用したことにより、ユーザーにストレスを感じさせないスピードを実現したとのこと。

 構築にあたっては、クニエが、構想策定、ディレクション、SAP HANAR Cloud Platformの開発を担当した。MFTBCでは当初、オンプレミスでの構築を検討していたものの、それでは第1弾サービスの提供開始までに半年以上を要する見込みだったこと、公開後も機能拡張を予定していることなどから、スピードと柔軟性を評価してSAP HANA Cloud Platformを採用している。特に、アプリ開発に必要なアプリケーションサービスを多数備えていたことなどが決め手になったとのことで、開発期間は6分の1以下に、初期費用も3分の1以下に抑えられた。

 なお、「ライフサイクルコストシミュレーター」は公式Webサイト内から誰でもアクセスでき、PC端末およびタブレット端末から利用可能。今後は、スマートフォン対応や機能拡充も予定されている。

石井 一志