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「GoogleやAWSの案件にはすべて勝ってほしい」~米Microsoftケビン・ターナーCOO

Windows as a ServiceであるWindows 10

 2つめの「Windows 10における勝利」では、Windows 95から20年後に発売される新OSであるWindows 10において、500万人がベータテスト中であること、自然なインターフェイスで入力できること、4つのOSをひとつのOSに統合し、ひとつのOSで、ひとつのアプリで、ひとつのストアで販売される環境が整っていることを示しながら、「Windows as a Serviceとして、これまでとは違う形で提供されるOSになる」とアピール。

 Windows as a Serviceについて、「常に、最新の状態にでき、管理コストが下がり、セキュリティの向上と、エンタープライズにおけるコントロールも進化する。ユニバーサルアプリの環境を実現できるのも、Microsoftにしかできないものだ」と説明した。

Windows 10 as a Service

 一方で、「デバイスメーカーから各種デバイスが登場し、さらに、Microsoftからもファーストパーティー製品が登場する。Surface Hubは、教室や会議室の体験を変えることができる。また、HoloLensなどにより、ホログラフィックコンピューティングを実現するOSになる」とも語ったほか、今後2年間で、10億台のWindows 10搭載デバイスが使われる環境を作ることにもあらためて言及した。

さまざまなデバイスが登場する

 また、Xboxの進化や、Surface Pro 3が最新四半期において10億ドルを販売したこと、Microsoft Bandではヘルス分野やウェルネス分野への活用が進展していることにも言及。

 Windows Phoneについては、「Phoneのビジネスは大切にしている。いま、そのビジネスモデルを変え、成長できるようにしている。製造プロセスを変え、マルチティアのディストリビューション体制を構築。同時に、正しい組織のサイズを考えている。製品ポートフォリオは少ないかもしれないが、ほかにはないソリューションを提案し、シェアをあげていく。いま考えていることは、次の波はなにかということ。スマホの世界はあきらめてない。収益性のある成長と、イノベーションを続けていく考えである」と述べ、一部のスマートフォン撤退報道を否定した。

Microsoftはレスキュー隊である

 「競合他社への勝利」という点からの説明では、過激な発言が相次いだ。

 「Microsoftには広い範囲で競合がいる。それらの企業とどう戦うべきか」とし、「VMwareやOracleのユーザーからは、近代的な世界へ移行し、コストを削減する手助けをしたい」と述べたほか、「過去1年間で、1252社を、Google Appsから、Office 365へと移行させた。われわれはレスキュー隊である。Google Appsの残りの顧客を助けないといけない。Googleは、Officeユーザーから移行させると言っているが、そうした自信過剰の部分が、私たちにとってはむしろチャンスである。Microsoftは、すばらしいテクノロジーを持ち、会社でのやりとりの内容や、自動車でどう移動しているのかといった情報を、盗み聞きするようなことはしない」と語った。

 また、「salesforce.comとの競合案件では、パートナーにすべて勝ってもらいたい。Dynamics CRMとOffice 365、Power BIの組み合わせで、顧客を勝ち取ってほしい。そのために、セールスプロダクティビティソリューションを用意し、このデモを商談に使ってほしい」とする一方、「Microsoft Azureには、AWSにはない5つの特徴を持っている。ハイブリッドクラウドプラットフォームであること、PaaSとIaaSを統合していること、セキュリティ、プライバシー、コンプライアンスで強みがあること、エンタープライズレベルのサポートを提供していること、アプリのための総合的なアイデンティティとアクセスソリューションを提供している点である。これらの特長を生かして、すべてのディールで勝ってほしい」と述べた。

Microsoft Azureの5つの優位性

 さらに、「ノートPCの分野では、Macと戦っている。HP EliteBook 1040と、MacBook Proを比較すると、HP EliteBook 1040の方が、薄く軽く、バッテリーの寿命もいい。そして、高い信頼性を持ちながらも、100ドルも安い。そのほかにもすばらしいPCが、エコシステムによって登場しており、これによってMacと戦う。さらに、Chromebookも同様であり、Windows 10デバイスでは、デスクトップアプリもWebアプリも使用できるなど、さまざまな優位性がある。しかも、169ドルからWindows 10搭載デバイスが購入できる。Chromebookは不必要である」と語った。

HP EliteBook 1040 vs MacBook Pro
対Chromebookでも優位性をアピールする

 最後の「顧客満足度へのこだわり」では、パートナーセールスエグゼクティブ(PSE)の活用によって、顧客に必要なものを届けることを提案。サポート終了となったWindows Server 2003を利用しているユーザーに対する提案を行うこともあらためて訴えた。

 「これらの施策やアイデアも、実行しなければ意味がない。パートナーと一緒になって実行し、成功していきたい。Microsoftには、ほかの企業にはない技術と製品、サービスがあり、さらに優れたパートナーへの支援策がある。なにかあれば、苦言でもいいので連絡をもらいたい。そうした声にも価値があると考えている。協力できるものがあれば、どんどん協力していきたい」と締めくくった。

(大河原 克行)