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「Microsoftには3つの野心がある」~サティア・ナデラCEO

WPC 2015にパートナー1万2000人が参加、Windows Phoneの新機種投入も

SharePointは生きている

 一方、米Microsoft Officeディビジョンのジュリア・ホワイト ゼネラルマネージャーは、「プロダクティビティとビジネスプロセスの変革」について説明した。

 「Microsoftは、Office 365を通じて、グループにおけるコミュニケーションの強化を図ることを目指している。新たな技術が登場しているのにも関わらず、会議室のなかは、10年前と、なんら変化がないという実態がある。映像ももっと多用する必要がある。いま、高校生に聞くと、ローカルに情報を格納するというのはどういうことなのか、と疑問の声が出てくるほど。情報の共有においても、企業の方が遅れている」など指摘した。

 さらに「競合他社は、MicrosoftはSharePointにはコミットしていないのではないかというが、SharePointは生きている。SharePoint 2016が登場することになり、そこで新たな体験を提供できる。MicrosoftはSharePointにコミットしている」と語ったほか、「DynamicsとOffice365の統合、Power BIの活用により、生産性の向上と、これまでにない洞察の実現が可能になる。次の1年間は、これまで以上にさまざまな進化がある。Office 2016、SharePoint 2016、Exchange 2016などのほか、機械学習を活用したインテリジェントカスタマエンゲージメントといったものも提供する。プロダクティビティとビジネスプロセスの変革はひとつとなって、推進されることになる」とした。

米Microsoft Officeディビジョンのジュリア・ホワイト ゼネラルマネージャー
Power BIを活用したデモンストレーション。Cortanaによって音声でのデータ分析を指示できる

GoogleとAWSの合計よりも多いデータセンターリージョン

 続いて、米Microsoft クラウド&エンタープライズグループのスコット・ガースリーエグゼクティブバイスプレジデントは、インテリジェントなクラウドプラットフォームの確立について説明した。

 ガースリー エグゼクティブバイスプレジデントは、「すべての企業は変革に取り組まなくてはならない。俊敏性を持った企業になること、コスト削減を行うことなど、さまざまな要素から取り組んでいく必要がある」と前置き。

 「Microsoftは最も多くのSaaSを提供している企業であり、さらに、360以上のモバイル対応のSaaSがパートナーを通じて提供されている。そして、19のリージョンがある。これは、GoogleとAWSのリージョンをあわせた数よりも多い。加えてMicrosoftでは、5つの新たなリージョンを設置することも発表している。パートナーは、近くのデータセンターを活用して、Microsoft Azureを活用したアプリを提供できるし、使い慣れたツールを活用してアプリを開発できる。Microsoftはパートナー志向であり、それはクラウドにおいても変わらない」と述べた。

米Microsoft クラウド&エンタープライズグループのスコット・ガースリーエグゼクティブバイスプレジデント
Microsoftはデータセンターを19リージョンで展開している

 また、「Microsoftのクラウドビジネスには、さらに勢いがついている」と主張。Microsoft Azureの新たな顧客が毎月9万件ずつ増えていること、140万のSQLデータベースがMicrosoft Azure上で稼働していること、Microsoft Azureのマーケットプレイスには3200のアプリケーションが登録されていること、2015年には、450億ドルものクラウドビジネスが、パートナーを通じて発生していることなどを示し、「われわれは、クラウド市場におけるベストのパートナーである」と参加したパートナーに訴えた。

 さらに、DATASTAX、VMob、Rackspaceの3社のクラウドサービス活用事例や提案事例などを紹介してみせた。オープンソースを活用してきたDATASTAXとの連携、Power BIの活用提案をマクドナルドに行ったVMob、OpenStackで実績を持つRackspaceによるFanatical Support for Microsoft Azureの発表に会場からは大きな拍手がわいた。

Microsoftのクラウドビジネスの成長

(大河原 克行)