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「IBMはクラウドにコミットしている」~Cloud Vision基調講演

 日本アイ・ビー・エムは、2014年4月16日、グランドハイアット東京において、ユーザー向けイベント「IBM Cloud Vision 2014」を開催した。

 同社では、「クラウド活用を次の段階へと引き上げ、いままでにない大胆な企業変革の実現を推進するユーザーを対象に、IBMのクラウド戦略や優位性、先進ユーザー事例などを紹介するイベント」としており、当初定員の4倍規模となる約2000人が事前申し込みを行ったという。

 本会場のほか、六本木ヒルズのアカデミーヒルズへのサテライト中継のほか、Webキャストでも中継した。

IBMのクラウドビジネスにある3つの命題

日本IBMの代表取締役社長、マーティン・イェッター氏

 冒頭であいさつした、日本IBMの代表取締役社長 マーティン・イェッター氏は、「データの活用によって世界の活動が変化する。データによって世界中のビジネスの仕方が変わる。一方、クラウドも重要な役割を果たしている。私は、ITとビジネスプロセスをデジタルによって提供するものが、クラウドであると定義している。さらに、エンゲージメントも大きな変化を及ぼす。モバイルやソーシャルが、人がどのようにつながり、情報交換するのか、そこに人がどうかかわり合うのかということに対して影響を及ぼすことになる。この3つの技術が変革をもたらしているといえるだろう」と話す。

 また、「なかでもクラウドは、ビジネスを刷新することができるものだ。クラウドによって、ビジネスモデルを変革することで、170億ドル規模のメリットが創出できると考えている」としたほか、「IBMのクラウドビジネスには、3つの命題がある。ひとつは、パブリッククラウドと連携させたハイブリッドダイナミッククラウドの環境を提案すること、2つめには、クラウドのデータを、オンプレミスであるかのように管理すること。データ保護の重要性はまだ過小評価されていると考えている。ここでは、セキュリティソリューションも重要である。3つめはビジネスモデルの刷新をしていくことである。IBMは、クラウドの力を活用し、将来の課題に応えられるように支援していく」とした。

 さらに、「米IBMは、クラウド分野においては、15の買収を行い、70億ドルの投資をした。SoftLayerもそのひとつである。SoftLayerには12億ドルの投資を行うことも発表し、15のデータセンターを増やすことも発表した。日本におけるインフラ拡大も行っていくことになる」と述べた。

(大河原 克行)