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「IBMはクラウドにコミットしている」~Cloud Vision基調講演 (SoftLayerとBlueMixによる変革を)

SoftLayerとBlueMixによる変革を

米IBM ソフトウェア&クラウド・ソリューション上級副社長のロバート・ルブラン氏

 また、「クラウド:成長と変革の原動力(Cloud: Growth Engine for a Smarter Enterprise)」をテーマに基調講演を行った、米IBM ソフトウェア&クラウド・ソリューション上級副社長のロバート・ルブラン氏は、「システム・オブ・エンゲージメント(Systems of Engagement)」と、「システム・オブ・レコード(Systems of Record:既存の情報システムを指す)」と組み合わせることで、次世代アプリケーションの実現とともに、ハイブリッド環境を実現することになると前置き。

 「継続的なプロセスの変革、改善とシステムの開発、洞察に基づく迅速な意思決定、市場投入スピードの加速が実現できる。loftグループでは、これまで3~5年かけていた事業変革を、クラウドを活用することで、数カ月へと大幅に短縮した。同グループでは、SoftLayerを採用してこれを実現した」と述べた。

 さらに、「いまのデータセンターをクラウド化しただけでは効果がない。事業の環境変化にあわせて、ダイナミックに変わるクラウドが必要である。そして、開発者はコードを書くのではなく、組み立てることになる。また、事業部門の65%のSaaSを選んで仕事をしているという実態がある。ITマネージャーは、最適化したハイブリッド環境での管理を行うようになる。これまでは18カ月間が開発期間であったが、これからは18日間の開発期間が常識になる」と語る。

 また、新たな開発環境である「BlueMix」についても言及。さまざまな言語でアプリケーションを実行できること、オープンスタンダードがベースであること、モバイル向け開発に適していること、DevOpsサービス統合開発環境を提供できることなどを示した。

 「BlueMixにおいては、400万以上のデベロッパーワークスのメンバーがおり、日本固有のコンテンツも用意している。さらに、1000本以上のノウハウも提供している。IBMの調査によると、SaaSの導入により、オンプレミスに比べて、41%の企業がコスト削減を果たし、47%の企業が競争優位性を発揮できたという。クラウドは、コスト削減だけでなく、成長の原動力となっている。フォーチュン500社の上位25社のうち、24社がIBMのSaaSを利用している」とした。

 また、「IBMは、クラウドにコミットしている。昨年、Softlayerを年間20億ドルで買収し、12億ドルをかけてデータセンター拡張を行った。またクラウド関連の買収に70億ドルをかけている。さらに、4万人以上の社員を教育してきた。クラウドは、ビジネスを促進することができ、企業、政府を変えていく。クラウドにおいて、IBMの知見を活用してみてはどうだろうか」などとした。

大河原 克行