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「PCが人間に歩み寄る」時代へ――、Copilot+ PCの最新AI機能と主要11社の新PCを一挙紹介

Windows AI Day基調講演レポート

 株式会社インプレスは、企業の情報システム担当者やAIに関心のあるユーザー、経営者・経営企画担当などを対象にしたイベント「Windows AI Day」を、3月2日に東京国際フォーラムで開催した。特別協賛は日本マイクロソフト株式会社。

 日本国内の主要PCメーカー11社から発売される最新のCopilot+ PCが一挙に紹介されたほか、Windows 11に搭載されたAI機能やCopilot+ PCが、オフィスでの実際の仕事にどのように役立つかについても、事例を交えて解説された。

 また、PCメーカー各社の実機を展示するコーナーが設置されるなど、Copilot+ PCを扱うPCメーカー、ディストリビューター、半導体メーカーなどの20社が一堂に会し、会場には800名以上が来場した。

 ここでは、Microsoftによる2つ目の基調講演についてレポートする。

最新のCopilot+ PCとAI機能で仕事はどう変わるか

 2つ目の基調講演には、日本マイクロソフト株式会社の鈴木敦史氏(シニア テクニカル アーキテクト)が登壇。「AI時代を加速する最新のWindowsデバイス紹介&デモ」と題して、Copilot+ PCで使えるWindows 11のAI機能を紹介した。

日本マイクロソフト株式会社の鈴木敦史氏(シニア テクニカル アーキテクト)

AI PCでは「PCが人間に歩み寄る」

 鈴木氏はまず、AI PC以前と以後について話した。

 かつて、PCはコマンドやプログラムで操作するもので、専門知識が必要だった。その後、GUIで操作するようになったが、それでも操作方法を覚えて使うということには変わりはなく、人がコンピューターに歩み寄る必要があったという。

 しかし、そうした状況は生成AIの登場によって変わり、人間が使っている自然言語や画像、音声にPC側が歩み寄るようになったというわけだ。「(PCが)専門的な知識を持った人だけのものではなく、より多くの人が使いこなせる方向に変わってきたというのが大きい」(鈴木氏)。

 なお、生成AIはこれまで、クラウド上の大規模言語モデル(LLM)を利用することが主流だった。この場合、膨大なコンピューターリソースとデータが使える反面、ネットワークが必要といった条件もある。しかし、デバイス側でもAIを活用できるようになれば、映像や音声、あるいはデバイス上のデータを、ネットワークに依存せずにその場ですぐ処理できるようになる。

 「クラウドのAIとデバイスのAIは、どちらが上とかどちらを使うべきというものではなく、それぞれの得意分野を生かして連携・活用することで、さらなる価値を生み出す」と鈴木氏は述べた。

 そして、このようなローカルAIを、大きな高性能PCではなくノートPCでも使えるようにするものとしてAI PCが登場。さらにその中でも、Microsoftが提唱するものがCopilot+ PCだと、鈴木氏はあらためて説明した。

人がコンピューターに歩み寄っていたのが、コンピューターが人に歩み寄るように
クラウドAIとデバイスAI
Copilot+ PC

Copilot+ PCで変わる仕事の体験をデモ

 では、Copilot+ PCによって仕事の体験がどう変わるのか。鈴木氏は、Copilot+ PCで活用できるWindowsのAI機能の中から、ビジネスシーンで活用しやすい機能をデモを交えて紹介した。

 まずは「改良されたWindows検索」だ。Windows検索では、従来はファイル名で検索していたが、自然言語によって内容から検索できるようになった。デモとしては、「Copilot+ PCの消費電力を比較したスライド」で検索するところが実演された。

改良されたWindows検索
デモ:自然言語によって内容から検索

 続く「リコール(Recall)」は、過去の操作画面の履歴から欲しい情報を探し出す機能。デモとしては、テキスト検索により「リコールのキーボードショートカット」で画面内を検索して、過去に表示されたWebページを探し出した。

リコール
デモ:テキスト検索で過去に表示された情報を探し出す

 鈴木氏は次に、Gravning氏の講演でも取り上げられた「クリックして実行(Click to Do)」を紹介した。テキストや画像などのコンテンツから、次のアクションへとつなげるもので、「Webや資料といった情報から何かを作りたい時に、(ユーザーが)次にやりたいことをAIが先回りして提案してくれる、非常に便利な機能」だという。

 デモでは、まず、PDFの英語文書をWordにコピーして日本語で要約するところを見せた。PDF上でWindowsキーを押しながら画面をクリックすることで「クリックして実行」を呼び出し、メニューからWordに英語の内容をコピーする(ローカルAIが使われる)。

 さらにWord上で、「この文章を日本語で箇条書きで一覧にしてください」「この文章に見出しをつけて同じ内容でカテゴリー分けして見やすくしてください」と、音声による指示で処理を実行した(クラウドAIが使われる)。

 このほか、Gravning氏の講演と同じように、PDF上の表をExcelにコピーするところもデモし、選んでいる対象によって、メニューで提案されるアクションが変わるところを見せた。

クリックして実行(Click to Do)
デモ:PDFから「クリックして実行」のメニューを呼び出す
デモ:Word上で自然言語の指示により要約を実行
デモ:PDFの表を「クリックして実行」でExcelにコピー

 次は「Copilot Voice」だ。話し言葉でAIと会話する機能で、一方的に指示するだけでなく双方向での会話にも対応するので、壁打ちなど、AIと相談したいケースにも使える。

 デモでは、ウェイクワードの「Hey Copilot」でCopilot Voiceを呼び出し、「Windows AI Dayで25分のプレゼンテーションをするんですけど、プレゼンのタイトルとアブストラクトを考えてほしい」と話して案をもらい、さらに「今の内容って、AIに関心が高い企業のユーザーには受けますかね」と相談して見せた。

Copilot Voice
デモ:Copilot Voiceを呼び出す

 続いては、Windowsの表示画面の内容にもとづいてCopilotに質問できる「Copilot Vision」である。デモでは、Wordで開いている文書について、行間が狭いと自然言語でCopilotに相談。それに対し、文書の設定のどこを変更したらいいかを、実際のメニュー操作によってCopilotがナビゲーションしながら教えるところを見せた。

Copilot Vision
デモ:Word文書のどこを変更したらいいかをCopilotに相談

各社のCopilot+ PCの特徴を紹介

 鈴木氏の基調講演では、各社の最新のCopilot+ PCデバイスも紹介された。会場では、ポイントがまとめられた資料をベースにAIが特徴をその場で紹介。さらに、各社にあらかじめ選択してもらった「そのPCを動物にたとえると何か?」という質問への回答から、AIが描いた絵を披露した。

PCメーカー各社からの回答をもとに、AIが描いた動物の絵

 ASUS Japan株式会社の「ASUS ExpertBook P5(P5405CSA)」は、軽量ボディと顔認証、ExpertCoolの高効率冷却による安定稼働が特徴とのこと。動物では、「ユニコーン」にたとえられた。

ASUS Japan株式会社「ASUS ExpertBook P5(P5405CSA)」

 株式会社サードウェーブの「THIRDWAVE F-14PN7A-B」は、Core Ultra シリーズ3搭載、73Whの大容量バッテリー、14インチで約1.0kg、MIL規格準拠の堅牢設計が特徴とのこと。動物では、「ゾウ」にたとえられた。

株式会社サードウェーブ「THIRDWAVE F-14PN7A-B」

 レノボ・ジャパン合同会社の「ThinkPad X13 Gen 6 AMD」は、約959gと軽量で、薄いながらも堅牢性を確保している点や、4辺狭額縁で画面占有率87.8%という作業性の高さが特徴という。動物では、「フクロウ」にたとえられた。

レノボ・ジャパン合同会社「ThinkPad X13 Gen 6 AMD」

 Dynabook株式会社の「dynabook X83/PA」は、13.3型の軽量ボディやセルフ交換バッテリーにより運用を止めない点が特徴とのこと。動物では、「牧羊犬」にたとえられた。

Dynabook株式会社「dynabook X83/PA」

 デル・テクノロジーズ株式会社の「Dell XPS 14」は、Core Ultra シリーズ3を搭載し、削り出しアルミボディの上質感と剛性、最大27時間のバッテリー駆動が特徴とのこと。動物では、「フェニックス」にたとえられた。

デル・テクノロジーズ株式会社「Dell XPS 14」

 株式会社日本HPの「HP EliteBook X G2i 14 AI PC」は、999gからの軽量設計とMIL規格準拠の高い堅牢性、PVDコーティング、さらにハードウェアを中心にした多層セキュリティによる保護が特徴という。動物では、「ユニコーン」にたとえられた。

株式会社日本HP「HP EliteBook X G2i 14 AI PC」

 株式会社マウスコンピューターの「MousePro G4-I7U01BK-F」は、約933gでMIL規格準拠の堅牢性、さらにBTOでメモリやバッテリー容量を選べるのが特徴という。動物では、「牧羊犬」にたとえられた。

株式会社マウスコンピューター「MousePro G4-I7U01BK-F」

 富士通株式会社の「LIFEBOOK U9415/A」は、14.0型で最軽量時約844gと軽いことに加え、大容量バッテリーを搭載でき、工具不要でのバッテリー脱着に対応するなどメンテナンス性が高い点も特徴とのこと。動物では、「ユキヒョウ」にたとえられた。

富士通株式会社「LIFEBOOK U9415/A」

 エプソンダイレクト株式会社の「Endeavor NL3000E」は、16型の大画面ながら約1.3kgという軽さであり、高い堅牢性も特徴とのこと。動物では、「ユニコーン」にたとえられた。

エプソンダイレクト株式会社「Endeavor NL3000E」

 日本マイクロソフト株式会社の「Microsoft Surface Pro」は、高性能カメラとマイク、タッチ操作、紙のような書き心地のペンが特徴だという。動物では、「ユキヒョウ」にたとえられた。

日本マイクロソフト株式会社「Microsoft Surface Pro」

 NECパーソナルコンピュータ株式会社の「VersaPro UltraLite タイプVY」は、1kg未満で、NEC独自のAIバッテリーマネジメントによる超超長持ちバッテリー、AIサポートチャットの搭載が特徴だという。動物では、「ゾウ」にたとえられた。

NECパーソナルコンピュータ株式会社「VersaPro UltraLite タイプVY」