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「Windowsは仕事の最強パートナーになる」――Copilot+ PCが変える業務の常識
Windows AI Day基調講演レポート
2026年3月11日 09:00
株式会社インプレスは、企業の情報システム担当者やAIに関心のあるユーザー、経営者・経営企画担当などを対象にしたイベント「Windows AI Day」を、3月2日に東京国際フォーラムで開催した。特別協賛は日本マイクロソフト株式会社。
日本国内の主要PCメーカー11社から発売される最新のCopilot+ PCが一挙に紹介されたほか、Windows 11に搭載されたAI機能やCopilot+ PCが、オフィスでの実際の仕事にどのように役立つかについても、事例を交えて解説された。
また、PCメーカー各社の実機を展示するコーナーが設置されるなど、Copilot+ PCを扱うPCメーカー、ディストリビューター、半導体メーカーなどの20社が一堂に会し、会場には800名以上が来場した。
ここでは、オープニングとMicrosoftによる基調講演についてレポートする。
Windowsはユーザーの最新テクノロジーへの入り口
オープニングには、日本マイクロソフト株式会社 代表取締役 社長の津坂美樹氏が登壇した。
津坂氏はまず、Windowsが1985年に登場し40歳を迎えたことを紹介した。そして自身の体験として、コンサルティングファームに在籍していた際に、それまで何週間や何カ月もかかっていた作業がスプレッドシートで簡単にできたことに興奮したと語った。
さらに、日本の法人においてWindows PCが91%のシェアを持ち、5600万台が稼働しているという数字を挙げ、「40年間Windowsを愛してくださり、日々の業務や生活で使っていただき、ありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。
「この、Windowsの40年の歴史は、テクノロジー業界の40年の歴史」と津坂氏。例えば、1985年にはGUIを、1995年にはInternet Explorerでインターネットを、2008年にはAzureでクラウドをそれぞれ取り入れたほか、2023年にはMicrosoft 365 Copilotで生成AIを取り入れた。
これらの流れを受けて、「Windowsは、皆さまにとってテクノロジーへの入り口となっている」と津坂氏は語った。
一方、テクノロジーが進化する中で、企業にとってはセキュリティの懸念が増えていること、そして、日本企業のAI活用において一番の懸念点がセキュリティだという調査結果を紹介。「AIを搭載するということは、まずセキュリティが第一でないといけない」としたうえで、Windows 11は初期状態でセキュリティが守られるようになっており、IT部門がひとつずつ再設定しなくてもよいという点を強調していた。
最後に津坂氏は、WindowsはAIとともに進化して、仕事の最強パートナーになると語り、「Windowsはこれからも、働く皆さまのかけがえのない相棒として、最新のテクノロジーの窓口としてあり続けたい」とまとめた。
ビジネスパーソンの仕事でWindowsが「AIのキャンバス」になる
続く基調講演には、米Microsoft CorporationのGabe Gravning氏(Device Technology Sales、Sales Leader)が登壇し、「Windows: Your Canvas for AI(Windows:あなたのAIのキャンバス)」と題して講演。「AIの進化:エージェント&Microsoft 365の融合」「Copilot+ PC」「セキュリティ&Foundry on Windows」の3つのパートに分けて、ビジネスパーソンが仕事で「AIのキャンバス」として使えるWindowsのAI機能を紹介した。
CopilotはAIのUI
最初のパートは「AIの進化:エージェント&Microsoft 365の融合」だ。
Gravning氏はAIの進化について、従業員がAIをアシスタントにするフェーズ1から、現在は従業員がAIエージェントにタスクを割り当てるフェーズ2に進み、将来は、エージェントがチームとしてビジネスプロセスの実行と最適化を支援するフェーズ3に進むと述べた。
そして、「われわれはWindowsにAIエージェントを一級市民として取り入れているところだ」と説明。その例として、AIエージェントをOS内の隔離された領域で安全に動かす「Agent Workspace」や、WindowsにMCP(Model Context Protocol)のインターフェイスを装備する「MCP on Windows」を紹介した。
現在の具体的な機能としては、「われわれは『CopilotはAIのUI』だとよく言っている」とGravning氏。そのうえで、タスクバーからCopilotを呼び出す「Ask Copilot」を紹介した。
Ask Copilotからは検索を実行できるほか、「@」を入力してさまざまなエージェントを呼び出せる。Gravning氏は、Outlookをエージェントとして呼び出してスケジュールを調べるところや、Researcherエージェントにバックグラウンドで分析を依頼して結果を受け取るところを、デモ動画を交えて紹介した。
またサードパーティーのエージェントを監視しながら権限を与えて動かせる例として、PC上のデータをもとにNext.jsを使ったWebサイトを「Manus」に作らせる動画デモを披露したほか、通知センターの通知にCopilotによる質問などが使えることも紹介した。
なお、イベント開催日の3月2日には、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が、セブン-イレブンのマルチコピー機の利用者向けにCopilot機能を開発することを発表しており、そのことも紹介された。Copilotに指示することで、ネットプリントの印刷を予約し、QRコードを取得できるようになるという。
Copilot+ PCのAIが実現する新しいWindows操作
次のパートは「Copilot+ PC」だ。
Gravning氏はCopilot+ PCを「これまでで最も速く、最もインテリジェントで、最もセキュアなWindows PC」と紹介した。最新世代のシリコンを搭載するCopilot+ PCでは、40TOPS以上のNPUにより高度なオンデバイスAIに対応し、長いバッテリー駆動時間も提供する。これにより、5年前のPCと比べて最大5倍のパフォーマンスと最大2倍の生産性を発揮できるという。
また、Copilot+ PCの機能を紹介するデモ動画を上映。Recall(リコール)、Live Captions with translation(ライブキャプション+翻訳)、Improved Windows Search(Windowsサーチの改善)、Click to Do(クリックして実行)、Agent in settings(「設定」のAI検索)、Hotpatch updates(ホットパッチ更新)を紹介し、Copilot+ PCが実現する新しいWindows操作を示した。
中でも、Gravning氏がお気に入りとして紹介したのが「Click to Do」。画面表示を認識して、関連するアクションをメニューから呼び出せるため、操作を実行する手順を短縮して時間を節約できる。
その例として、PDF内にあるデザインされた表をExcelの表に変換するところをデモ動画で紹介した。「PDFからExcelにコピー&ペーストしても、うまくいくことはあまりないが、Click to Doでは望むとおりに実行できる」と同氏はアピールしていた。
なお、このパートのまとめとしては、通常のWindows 11 PCとCopilot+ PCの違いについて、「Windows 11は多くのイノベーションがなされており、Copilot+ PCはさらに機能を追加している」と述べ、ローカルAIやセキュリティ機能などが加わっていることを強調した。
セキュリティや、AIアプリケーション開発者のための機能
最後のパートは、「セキュリティ&Foundry on Windows」だ。
まずセキュリティについて、Gravning氏は「私たちは、Windowsを設計上、最も安全なオペレーティングシステムとして作っている」として、数百のセキュリティ機能を取り入れていると語った。
その例として、Windows Helloの顔認証についての動画を見せた。カフェでPCを置いたまま席を外しても、顔認証によって保護されているため、他人が操作できないという内容だ。
セキュリティについてはもう1つ、耐量子コンピューター暗号(PQC)アルゴリズムのサポートもGravning氏は紹介した。
また、「Microsoft Foundry on Windows」は開発者のための機能で、AIアプリケーションからAIモデルやカスタマイズ、APIなどを利用するプラットフォーム「Microsoft Foundry」をローカルで動かすことができる。「クラウドからデバイスまで、AI開発者のライフサイクル全体をサポートする」とGravning氏は語り、すでに多くのパートナーや開発者がMicrosoft Foundry on Windowsを活用していると紹介した。








































