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AIストーム、長野県でAIデータセンター事業を始動

 AIストーム株式会社(旧:株式会社ジェクシード)は20日、長野県内でのAIデータセンター事業の本格始動に向け、資産保有を担う特別目的会社(SPC)「AICore Grid合同会社」と、データセンター運用会社「AIS DC Services株式会社」を同日付けで設立すると発表した。

 設立する2社は、データセンターの資産保有と運用を機能分担して推進する事業体制となる。AIストームグループは、AIサービスを提供する企業から、AI産業の計算基盤そのものを支えるAIインフラ企業へと事業構造の進化を加速していくとしている。

 AIストームは、2025年4月に社名を「AIストーム」に商号変更するとともに、2025年から3年で時価総額500億円の達成を目指す中期経営計画を発表して以降、AI事業への注力を続けてきた。今回の特別目的会社およびデータセンター運用会社の設立は、この目標達成に向けた重点施策の一つだという。

 AIストームではその背景として、AIインフラ需要の急拡大と、国内データセンターの地理的偏在を挙げている。生成AIの社会実装が進む中、データセンター容量とGPU計算資源は世界的にひっ迫している。また、国内データセンターの8割強は東京圏・大阪圏に集中しており、地方への中核拠点整備が国の政策課題となっている。

 AIストームはこの構造的な需給ギャップを正面から事業機会と捉え、長野県内の工場跡地を活用したAIデータセンターの建設・運営に踏み出すとしている。長野県は、年間平均気温が東京都と比べて4℃低くサーバー冷却に有利な冷涼な気候であることに加え、内陸部に位置することによる地震・津波・水害リスクの相対的な低さ、首都圏からのアクセスの良さなど、データセンター立地として高いポテンシャルを有する地域だとしている。

 特別目的会社のAICore Gridは、データセンターの建屋・電力設備・冷却設備・ラックなどのハードウェア資産を保有・管理する。データセンター運用会社のAIS DC Servicesは、施設運用・コロケーション・GPUサービス提供・電力契約・ネットワーク運用・保守監視を担う。

 資産保有と運用を分離することで、設備投資のタイミングや規模を機動的に判断できるようになり、外部の金融機関・事業会社との協業も組み立てやすくなる。

 また、AIストームは過去に業務提携を行った大手データセンター関連事業会社との関係性を生かし、データセンターの設計・建設・運用・保守・監視など、専門性の高い領域での連携を進めていく。これにより、事業立ち上げのスピードと運用品質を両立させ、早期の収益化を実現していくとしている。