イベント

「第10回Japan IT Week 秋」展示会レポート、AMDの最新EPYCプロセッサ「Rome」などが注目集める

Surface Laptop 3やサーバー用の液浸冷却タンクなども

 IT展示会の「第10回Japan IT Week 秋」が、10月23日~25日に幕張メッセで開催された。クラウドコンピューティングEXPO、情報セキュリティEXPO、Web&デジタルマーケティングEXPO、モバイル活用展、データセンター&ストレージEXPO(旧データセンター展)、セールス自動化・CRM EXPO(旧ビッグデータ活用展)、通販ソリューション展、IoT/M2M展、店舗ITソリューション展、AI・業務自動化展、組込みシステム開発技術展、ソフトウェア&アプリ開発展の12の展示会からなる。

 ここではその中から展示をいくつか紹介する。

AMD、サーバー向けEPYC Romeや組込み向けEmbedded RYZENなどを展示

 AMDのブース(データセンター&ストレージEXPO)には、Zen 2世代のサーバー向けCPUのAMD EPYC 7002シリーズ(コードネームRome)を展示していた。8コアのCPUダイ(7nmプロセス)最大8個とI/Oダイ(14nmプロセス)を1つのCPUに搭載したモジュラー設計が特徴だ。ブースでは、IntelのCascade Lake世代CPUとの比較グラフを出して性能をアピールしていた。

 ブースではまた、ベンダー各社から出されたEPYC 7002搭載サーバーがいくつか展示されていた。

Zen 2世代のサーバー向けCPUのAMD EPYC 7002シリーズ(コードネームRome)
Intel CPUとの比較など
HPEのProLiant DL325 Gen10。1 CPUで2 CPU相当の性能やメモリ搭載量だという
DellのPowerEdge R7415
SupermicroのH11 Ultra。PCIeスロットを多数備える
TyanのTN70A-B8026
ASUSのRS500A-E10-RS12U

 また、もう1つのAMDのブース(IoT/M2M展)では、組込み向けのRyzen Embedded R1000シリーズやV1000シリーズなどを展示していた。各社の組込みボードを展示していたほか、V1000シリーズAPUを用いた画像認識やデジタルサイネージ、組込み向けハイパーバイザーなどがデモされていた。

Ryzen Embedded R1000シリーズなどAMDの組込み向けCPUやSoCを搭載したボードを展示
Ryzen Embedded V1000シリーズAPU搭載のE.E.P.D. BOXPC-NUCVで、内蔵GPUで画像認識するデモ
1つのCPUでリアルタイムOS(RTOS)とデスクトップLinuxを同時に動かすReal-Time SystemsのReal-Time Hypervisor
4画面を同時に出せる、Ryzen Embedded V1000シリーズ搭載のAxiomtekのデジタルサイネージ

日本マイクロソフト、Surface Laptop 3やSurface Pro 7を展示

 日本マイクロソフトのブース(クラウドコンピューティングEXPO)では、SurfaceシリーズとMicrosoft 365を中心に展示していた。特に、発表されたばかりのSurface Laptop 3やSurface Pro 7なども触れるようになっていた。

ノートPCのSurface Laptop 3の13.5インチモデルと15インチモデル
2-in-1型のSurface Pro 7
5月に発表されたホワイトボード型のSurface Hub 2S

VAIO、LTE閉域網やLTE over IPでセキュア接続するVAIO Secure SIMなど

 VAIOのブース(情報セキュリティEXPO)では、法人向けの社内リモートアクセス用SIMの「VAIO Secure SIM」について展示していた。物理SIMとソフトウェアSIMの両方がそろっているときだけ利用できることで紛失時などのリスクを防ぎ、LTE over IPで、物理SIMによるモバイル回線上や公衆インターネット回線上で、セキュアに会社へと接続できる。

【お詫びと訂正】

  • 初出時「物理SIMではLTE閉域網で、ソフトウェアSIMではLTE over IPによる公衆インターネット回線上のVPN接続で、セキュアに会社に接続できる」としておりましたが、現在の記述が正しい内容となります。お詫びして訂正いたします。

 また、7月に発表された法人向けノートPCのVAIO Pro PJ(12インチ)とVAIO Pro PK(14インチ)も展示していた。最軽量モデルで888gだが堅牢で、VGA端子も備える。

VAIO Secure SIMの展示
VAIO Pro PJ

サーバーを液浸冷却するサーバータンク

 日比谷総合設備のブース(データセンター&ストレージEXPO)では、サーバーを液浸冷却サーバータンク(代理店はHPCシステムズ)が展示されていた。2Uのサーバーを、沸点56度のフロリナード FC-72液(3M製)に浸すことで、沸点程度以上に温度が上がらないようにするという。

サーバーをフロリナード FC-72液に浸すサーバータンク
裏側にラジエーター。サーバーで熱せられた液を冷却して戻す

オラクル、スマートシティをレゴで表現したデモ

 オラクルのブース(クラウドコンピューティングEXPO)では、Oracle Cloudの各種ソリューションを展示していた。

 その中で、スマートシティをレゴで表現してデモしていた。Oracle Cloudのバックエンドソリューションと、運行管理や画像認識などと組み合わせることで、交通や清掃などの町の機能を管理する。

オラクルのブース
スマートシティをレゴで表現した展示

ロードバランサー/ADCベンダーの展示

 ロードバランサー/ADCのA10ネットワークのブース(情報セキュリティEXPO)では、Office 365負荷対策やAI DDoS対策、ローカル5G向けソリューションについて展示していた。

Office 365負荷対策ソリューション
AI DDoS対策ソリューション
ローカル5G向けソリューション

 ロードバランサー/ADCのアレイ・ネットワークのブース(データセンター&ストレージEXPO)では、Array AVXシリーズについて展示していた。1台の上で複数の仮想インスタンスを動かすプラットフォーム。アレイ・ネットワークのADやTLSの機能のほか、他社のDDoS対策やWAF、ファイアウォールなどの仮想アプライアンスを動作させて、集約できる。

アレイ・ネットワークのArray AVXシリーズ