データセンターカフェ
海底ケーブルが断線したトンガへの衛星通信提供、570万ドルをめぐる紛争で提供不可能に
2022年1月20日 06:00
火山被災国を「応援したい」と発信するもサービス提供は支払い紛争の解決を待つ
600万ドル弱の紛争が、火山噴火、津波、複数の海底ケーブルの断線に見舞われたトンガへの通信サービスを可能にする衛星ブロードバンド・プロバイダーを阻んでいます。
週末にトンガの近くで大きな海底火山が噴火し、場所によっては高さ3フィート(約1メートル)にも達する津波を引き起こしました。トンガの海底ケーブルは2本とも破損しており、修復には少なくとも2週間かかるとみられています。衛星通信は利用可能と言われていますが、政府が調達したバックアップは金銭的な問題で起動されていません。
2019年に12日間の海底ケーブルの停止を受け、トンガ政府は衛星ブロードバンドプロバイダーのKacificと、離島接続とファイバーバックアップのための15年契約を締結しました。この契約では、Kacificの「Kacific1」衛星が89の離島のコミュニティを接続するために使われることになっていました。
しかしZDNetとStuff.nzは、この契約はまだシンガポールでの仲裁に留まっており、一度も有効化されていないと報じています。その結果、噴火による被災にもかかわらず、同国へのサービスは提供されていません。
トンガの政府系企業Tonga Satelliteは、衛星サービスを提供するための570万米ドルの契約を守らなかったと伝えられています。前政権はTonga Satelliteには契約を締結する権利がなく内閣の承認なしに締結されたため、契約は無効であるとし、その後同社は閉鎖されました。
KacificのCEOであるChristian Patouraux氏は月曜日に発表された声明の中で、「トンガ政府とKacificの間には有効で署名済みの契約が存在するため、Kacificは接続を回復する意思と能力を有している」と述べています。
データセンターカフェは、日本のデータセンター業界に関わられている方々に向けた、世界中のデータセンター・ITインフラ/ファシリティに関する最新ニュースや技術動向等の発信に特化したニュースメディアサイトです。