仮想化道場
NVMeフラッシュメモリで高いパフォーマンスを出す13世代のDell PowerEdge
(2015/3/12 06:00)
管理性が大幅に向上
13世代のPowerEdgeは、管理システムiDRAC(Integrated Dell Remote Access Controller)がiDRAC 8にバージョンアップされている。iDRAC 8では、今までのiDRACに比べると大幅にアップデートされている。
iDRAC 8で搭載されたiDRAC Automatic Server Updateでは、サーバーのBIOS、iDRAC、PERC(ストレージインターフェイス)などのファームウェア、各種OSのドライバなどを、サーバー自身がデルのFTPサーバーにアクセスし、自動的にダウンロードやインストールをしてくれる。
セットアップ時にOSを選択すると、ハードウェア環境をチェックして、ファームウェアのアップデートや必要なドライバのダウンロード/インストールを自動的にしてくれるのは、運用管理者にとっては非常に便利な機能だ。
従来は、サーバーを購入した時に、デルのWebサイトから必要なファームウェアを探してきて、手動でインストールする必要があった。また、OSに必要なドライバを手動でダウンロードしておき、OSのインストール時にダウンロードしたドライバを指定してインストールする必要があった。
これが非常に面倒な作業だった。どのドライバが必要なのかが非常にわかりにくく、OSのインストール後に動作しないデバイスがあることを確認してから、新しいドライバをインストールしたり、OSに同梱されているドライバが古いため、新しいドライバをダウンロードしてインストールするなど、サーバーの電源を入れてから、OSを使えるようにするまでに、非常に時間がかかったのだ。
しかしiDRAC Automatic Server Updateにより、利用準備が整うまでの時間や手間を短縮できる。
さらにiDRAC Automation Configuration(iDRAC8で追加された新機能)では、サーバーの設定情報に従って、自動的にサーバーのセットアップを行うことができる。この設定情報はXMLファイルになっている。DHCPサーバーに設定ファイルを置いておくことで、そこから設定ファイルを読み込み、複数のサーバーのセットアップを行えるのだ。これを利用すれば、膨大な数のサーバーを利用するデータセンターなどで、作業時間を短縮できる。
また、XMLファイルの設定情報が入ったUSBメモリを個々のサーバーに挿すだけで、セットアップを行うこともできる。
なお、iDRACを利用するにはこれまで、直接コンソールからアクセスするか、LAN経由でリモートでアクセスするしか方法がなかった。しかしiDRAC 8では、個々のサーバーの前面にあるUSBポートとPCをUSBケーブルで接続すれば、PCを使ってiDRACにアクセスすることができる。
また、13世代PowerEdgeサーバーの前面にNFC対応のベゼルを装着すれば、NFC対応のAndroidスマートフォンをかざすだけで、個々のサーバーの情報を把握したり、再起動や管理モジュールの設定を行ったりすることができる。
多数のサーバーを並べているデータセンターなどでのメンテナンスにおいては、個々のサーバーを見ながら、スマートフォンで設定の確認や変更などができるのは非常に便利になるだろう。
さらに、スマートフォンやタブレット向けにOpenManage Mobileというアプリが用意されているため、サーバーに関する重要なアラートや通知を受け取ることができるため、管理者がどこに居ても、サーバーのトラブルをすぐに知ることができる。
Windows Serverで動作するOpenManage Essentialsを利用すれば、PowerEdgeサーバーを統合的に管理、監視することができる。OpenManage Essentialsは、個々のサーバーにエージェントソフトをインストールしなくてもエージェントレスで管理ができるようになっている。