仮想化道場
ハードウェア性能が強化された新しい小型サーバー「HP MicroServer Gen8」 (自働化サーバーに進化したMicroServer Gen8)
(2013/8/15 06:00)
自働化サーバーに進化したMicroServer Gen8
MicroServer Gne8の最大の特徴は、マネジメントユニットのHP Integrated Lights-Out 4(iLO4)が標準で搭載されている点だろう。iLO4は、昨年発売されたProLiant Gen8の最大の特徴といえるもので、リモート管理や電源管理機能だけでなく、運用ライフサイクル全般にわたって、自動化を行うために進化した。
iLO4が持つHP Intelligent Provisioning機能を利用すると、サーバーにインストールするOSをiLO4のリモートメディア機能などでマウントすれば、インストールするOSの種類を判別して、自動的にサーバーのファームウェアや各種ツールを最新バージョンにアップデートしたり、必要となるドライバ類を自動的にインターネットからダウンロードしたりしてくれる(iLOが動作する状況で、インターネットアクセスが可能になっている必要がある)。
つまり、面倒なファームウェアのアップデート、OSが必要とする最新ドライバを自動的にダウンロードし、インストールしてくれるため、OSのインストールが終了すれば、すぐにでもサーバーが運用できる状態になるのだ。
今までは、手動で必要とするファームウェアを探したり、サーバー本体のファームウェアとストレージコントローラのファームウェアのバージョン間の相性などを気にかける必要があった。しかし、HP Intelligent Provisioning機能を使えば、HPがテスト済みの最新ファームウェアを自動的にダウンロードし、インストールしてくれる。
ただし、iLO4は、オプションのアクティベーションキーによって、機能が異なる。オンボードのiLO4だけでは、ヘルスチェック、WebベースのGUIなどの一部機能しか使えないが、別途ライセンスを購入し、リモートコンソールや仮想メディアが利用できるiLO Essentials(1万4700円)、電力管理やリモートシスログなどが利用できるiLO Advanced(5万6700円)へとアップグレードすることも可能だ。
提供機能 | オンボード機能 | iLO Essentials | iLO Advanced |
価格(1年保守サポート・アップデート権付の場合) | 無償 | \14,700(税込) | \56,700(税込) |
仮想メディア/仮想フォルダ | × | ○ | ○ |
リモートコンソール (仮想 KVM ) | × | ○ | ○ |
Eメールアラート | × | ○ | ○ |
電力管理・制御フル機能 | × | × | ○ |
(ダイナミックパワーキャッピング含む) | |||
コラボレーションモード | × | × | ○(最大6人) |
ビデオ録画/再生機能 | × | × | ○ |
リモートシスログ | × | × | ○ |
SSH テキストコンソール | × | × | ○ |
ヘルス監視 | ○ | ○ | ○ |
WebベースGUI | ○ | ○ | ○ |
仮想電源ボタン | ○ | ○ | ○ |
IPMI/DCMI | ○ | ○ | ○ |
MicroServer Gen8には、iLO4用のネットワークポート1本、1GbEのネットワークポートが2本用意されている。
さらに筐体内部には、Micro SDを挿すスロットが用意されている。Micro SDをブートドライブにすることができるため、VMwareのESXiやマイクロソフトのHyper-V Server、Linux系OSなどをMicro SDからブートして利用することも可能だ。
USBポートとしては、US B2.0ポートが4つ(前面2ポート、背面2ポート)、USB 3.0が2ポート用意されている。残念なのは、USB 3.0ポートが前面にないことだ。
また、ディスプレイコネクタとしてはアナログ出力だけしかない。サーバーということを考えればアナログポートで十分なのだろうとは思うが、最近のコンシューマ向けディスプレイの状況を考えれば、DVI出力があった方が便利だと思う。
できれば、アナログとデジタルの両方の出力をサポートするDVI-Iポートを本体につけ、アナログディスプレイを接続する時は変換アダプタで対応する、といった方法が採用されればいいのにと思う。