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日立情報通信エンジニアリング、工場やビルなどの拠点で電力の制御・管理を最適化する「エネルギーマネジメントシステム構築サービス」を提供

エネルギーマネジメントシステムの全体構成例(上位の管理システムとLocal EMS、各種機器・設備の連携イメージ)

 株式会社日立情報通信エンジニアリングは22日、ハードウェア・ソフトウェア開発・設計における顧客の共通課題の解決策をメニュー化したメニューベースエンジニアリングサービスの新たなラインアップとして、工場やビルなどの拠点で、EV充電器・充放電器のほか、さまざまな設備の電力需要や太陽光発電の予実測情報を収集し、電力の制御・管理を最適化する「エネルギーマネジメントシステム構築サービス」を販売開始した。

 エネルギーマネジメントシステム構築サービスは、メニューベースエンジニアリングサービスの特長である短期間での導入が可能で、EV車両運行管理システムやBEMS(Building Energy Management System)など上位の管理システムとも連携して、拠点ごとに設備やEV充電器・充放電器などの機器を一括制御・管理し、電力使用量や充電計画をリアルタイムに最適化して、電気料金の低減や業務の効率化、および環境価値の創出を実現する。

 日立情報通信エンジニアリングでは、カーボンニュートラルの実現やGX(グリーントランスフォーメーション)戦略の推進により、再生可能エネルギーの活用やEVの普及が加速しており、工場やビルなどの拠点ごとのエネルギー管理や電力コスト削減の重要性が高まっていることから、これらのニーズに対応するエネルギーマネジメントシステム構築サービスを提供すると説明している。

 エネルギーマネジメントシステム構築サービスは、最適な電力需給を計画・制御・管理する「Local EMS」を標準基盤とし、顧客のニーズに合わせ、設備・機器と連携するためのアダプターを開発・接続することで、開発コストの低減と短期間での導入を実現する。

 異なるメーカー・機種が混在する拠点でも一括管理が可能で、日立情報通信エンジニアリングのアプリケーションで、EV充電器・充放電器を最大50台まで制御できる。電力のピークカットや再生可能エネルギーの最適利用により、経済・環境両面で価値を提供する。EVや蓄電池との組み合わせによりBCPにも対応可能。アダプターはEV充電器・充放電器向けにOCPP/ECHONET-Liteに標準対応し、各種プロトコルに合わせてカスタマイズできる。

 また、日立情報通信エンジニアリングの「EV充放電の群管理アプリケーション」と組み合わせることで、多数のEV充電器・充放電器を一括で制御し、EVの充電電力量を最適化することで、電気料金を低減できる。

 サービスは、工場・ビル、集配事業所、小売店舗チェーンなど、業界・規模を問わず多岐にわたるユーザーに向けたエネルギーマネジメントに対応する。例えば、工場・ビルでは、設備・機器の電力使用量をリアルタイムで監視・制御し、電気料金削減・再エネ電力の最適利用・省エネを実現する。集配事業所では、EVトラックの運行管理システムと連携して、契約電力の範囲内で電力を最適配分し、充電電力のピークをカット・シフトできる。また、車両を使いたい時刻を入力し、指定の時刻までに充電を完了するといった運用にも対応する。

 日立情報通信エンジニアリングは、電力制御を実現するパワーエレクトロニクス技術、EVのほかさまざまなバッテリーの制御技術、各種ハードウェア開発経験を生かしたフィードバック・フィードフォワード技術を保有している。これらの技術を連携させたノウハウを活用できる同社の強みをさらに伸ばすとともに、パートナー各社と広くオープンに連携して顧客のメリットを最大化し、エネルギーマネジメント関連技術の展開を目指すとしている。