仮想化道場

ハードウェア性能が強化された新しい小型サーバー「HP MicroServer Gen8」 (自働化によって支援できること)

自働化によって支援できること

 今回のMicroServer Gen8だが、性能的には、初代MicroServerから大幅にアップしているが、Celeron GT1610Tを使ったMicroServer Gen8は6万6150円(Pentium G2020T版なら7万7000円)と、その分価格も上昇している。

 しかも、メモリは標準では2GBしか搭載されていない。また、HDDはすべてオプションとなっている。したがって、Celeron GT1610Tモデルで、メモリを最大容量の16GBに変更し、3GBのHDDを4台搭載し、オプションのCD/DVDドライブを搭載すれば、17万円ぐらいになってしまう。さらに、iLO4のライセンスを購入し、ハードウェアの保守サービスに入ると、20万円を軽く越えてしまう。

 こうなると、個人が手軽に利用するサーバーではなく、企業の支社や支店などに設置するサーバーといった位置付けになるだろう。実際、日本HPではシステムインテグレータと組んで、MicroServer Gen8とITシステムを組み合わせたソリューションとして販売していきたいようだ。店舗のストアコンピュータなどのように、専任の管理者が存在しないような場所に設置するサーバーとして、MicroServer Gen8を活用していきたいと考えている。

 このコンセプトにしたがって、MicroServer Gen8自体は、18dB(アイドル状態)と寝息よりも静かなサーバーになっている。また、iLO4により自働化サーバー機能がサポートされているのも、リモートからのフル機能の管理を行うためだ。

IDCの調査報告からわかるように、日本は1ソケットのエントリータワーサーバーの台数がずばぬけて多い
国内では、店舗や拠点に設置されるエントリーサーバーが多く、このためエントリータワーサーバーの数が増えたと思われている
拠点に設置されるエントリーサーバーは、現地に管理者がいないため、トラブルも多い。だからこそ自働化が必要になっている
HP ProLiant Gen8サーバーは、iLO4やHP Insight Onlineなどの機能により、現地に管理者が居なくてもリモートで監視、管理が行える
MicroServer Gen8は、ProLiant Gen8サーバーの自働化機能を取り込み、コンパクトで静かなサーバーを目指して開発された
iLO4によりリモートからファームウェアやドライバーのアップデートが行える。また、クラウド(Insight Online)を使って、稼働状況を管理することができる

 さらに、MicroServer Gen8に合わせて、同じ大きさの8ポートレイヤ2スイッチHP PS1810-8Gがリリースされている。このネットワークスイッチは、MicroServer Gen8の上や下に設置することができ、デザイン的にもMicroServer Gen8と一体として見えるようになっている。また、このスイッチ自体もWebブラウザから管理を行えるほか、MicroServer Gen8などの管理自体も、一括して実行できる機能が搭載されている。

 管理者の集中運用を支援するコンセプトは、こういう周辺部にも反映されているのだ。

MicroServer Gen8にサイズを合わせたL2ネットワークスイッチ「PS1810-8G」も発売された
PS1810-8Gは、ネットワークスイッチからMicroServer Gen8などのProLiant Gen8サーバーを認識、監視する機能が追加された
L2ネットワークスイッチのPS1810-8Gは、厚みのある携帯CDプレーヤーのようなサイズだ
PS1810-8Gは、ACアダプターで動作する
PS1810-8Gの1番のポートはPoEをサポート。Ethernetケーブルを挿せば、ネットワークから電力が供給されるので、ACアダプタは必要ない
MicroServer Gen8の上にL2ネットワークスイッチのPS1810-8Gをおいた。同じデザインで作られているため、一体化している

 次回は、この“自働化”機能の鍵となる、iLO4などの管理機能を紹介していく。

山本 雅史