仮想化道場
“やわらかいデータセンター”を作る、IntelのSoftware Defined Infrastructure (サーバー向けには、SoCのXeonとAtomを提供)
(2013/7/30 00:00)
サーバー向けには、SoCのXeonとAtomを提供
Intelでは、22nm製造プロセスのAtom「Silvermont(開発コード名)」のサーバー向けである「Avoton(開発コード名)」と「Rangeley(開発コード面)」に関して、詳細を発表した。
AvotonとRangeleyは、「Atom C2000」シリーズというブランドでリリースされる。Avotonは高密度サーバー向けのプロセッサだが、Rangeleyにはネットワーク機器向けの機能ブロックが追加されている。
Atom C2000シリーズは、Silvermontコアが最大8コア(ハイパースレッディングはサポートされていない)で、SoC化により周辺インターフェイス(USB、ネットワーク、ストレージ、暗号化)が一体化している。
メモリ容量に関しては最大64GBと、第1世代のサーバー向けAtomプロセッサ「Atom S1200」に比べ、8倍の容量を実現している。
さらに、第2世代の仮想化支援機能VT-xがサポートされることで、Atomにおいても高い性能でハイパーバイザーを動かすことができる。もちろん、64GBもの大容量メモリをサポートしているため、複数の仮想マシンを動かしても、十分なメモリ容量が確保されている。
ちなみに、Atom C2000シリーズは、9月に開催されるIntelの開発者セミナーIDFで正式リリースとなると予想されている。
また、最新のXeon E3プロセッサ(Haswell世代)でも、ノートPC向けにリリースされている1チップ(プロセッサ+PCH)ソリューションを提供する予定にしてる。ノートPC向けということで、TDP自体も13W以下と、既存のXeonプロセッサから比べればかなりの低消費電力化が行われている。
2014年のロードマップとしては、14nmで製造されるAtomプロセッサ「Denverton(開発コード名)」、Xeonプロセッサ「Broadwell(開発コード名)」がリリースされる。Broadwellに関しては、デスクトップ向けと1ソケット向けのXeonプロセッサが同じ時期にリリースされるだろう。
また、Broadwellプロセッサは、プロセッサとPCH(周辺チップ)の2チップソリューションだが、PCHの機能をプロセッサに取り込んだSoCもリリースされる。
ちなみに、Haswellでも1チップソリューションはリリースされているが、マルチチップモジュール(MCM)により、1つのパッケージに2チップを入れて、1パッケージ化している。このため、厳密に言えば、SoCとはいえない。この意味では、14nmのBroadwellで初めてSoC化が行われる。
Intelでは、SDIの未来像として、プロセッサ、メモリ、ストレージ、I/Oなどを1台のサーバーから切り離し、クラウド全体でプールできるようにしていく。さまざまなリソースがプール化できるようにするためには、機能ブロックをハードウェア的にもモジュール化していく必要がある。モジュール化することで、プロセッサが必要になればプロセッサモジュールを追加し、メモリが必要になればメモリモジュールを簡単に追加することが可能になる。
SDIの第一歩としてIntelは、RSAを、データセンターインフラの設計図のオープンソース化を図る「Open Compute Project」の主要メンバーでクラウド事業者の米RackSapceや、米Facebookと共同で策定して公開していく予定だ。特にRackSpaceは、RSAの仕様策定とともに、自社のクラウドサービスのプラットフォームで積極的に採用していく予定だ。