仮想化道場
HPCからクラウド、ビッグデータへと市場を広げていくDataDirect Networks
(2014/5/20 06:00)
DataDirect Netowrks(以下、DDN)は、HPC(High Performance Computing)向けストレージを提供している企業としては有名どころだ。
HPCというハイエンドニッチ市場から、徐々にエンタープライズ分野への進出を計画しており、HPCで必要とされていた高いI/O性能を武器に、ビッグデータやクラウド分野へ進出しようとしているという。
今回は、DDNのCMO、Molly Rector(モーリー・レクター)氏と、日本国内における責任者、Robert Triendl(ロベルト・トリンドル)氏に話を聞いた。
DDNの特徴をエンタープライズ市場に
クラウド Watchの読者には、DDNといってもピンとこない人も多いだろう。1998年に設立されたDDNは、主にHPC向けの高性能ストレージを提供しているからだ。
そのファーストカスタマとなったのはNASAだった。その後、HPC分野では代表的なストレージベンダーとしての立場を確立し、スタンフォード大学、オークリッジ国立研究所で利用されているほか、東工大で運用されているスパコン、TSUBAME 2/2.5のストレージとしても採用されている。
「HPCのストレージに関しては、DDNはトップベンダーといえるでしょう。スパコンの性能ランキングでは、トップ100の半数以上がDDNのストレージを採用しています。最新のSFA12KXというシリーズでは、最大48GB/秒というバンド幅と170万という超高速のIOPSを実現しています」(レクター氏)。
多階層型のアーキテクチャを採用
DDNのストレージでは、多階層型のストレージアーキテクチャを採用している。コントローラに搭載された、高速なDRAMを大容量のキャッシュとして用いるほか、リードとライトそれぞれに専用SSDをキャッシュとして利用する、SFXという機能が実装されている。SAS/SATA HDDには、ライトキャッシュのSSDからデータが書き込まれる。また、HDDから先読みされたデータ、あるいはアプリケーションから指示を受けたデータがSSDに置かれることで、データへのアクセススピードをアップしている。
このような独自のハードウェアアーキテクチャと、データをどの階層に配置するのか、HDDからどのデータを先読みしてくるのかといったソフトウェアアーキテクチャが融合し、高速なストレージシステムを構成している。
実際、各社の高速なストレージシステムと比べても、DDNのシステムはずばぬけて高速であり、スケーラブルにストレージ容量を拡張できるようになっているという。