仮想化道場
やっと登場した最上位x86サーバープロセッサ、Ivy Bridge世代のXeon E7 v2シリーズ
(2014/2/19 10:00)
2013年末のリリースがスリップし、2014年2月にやっとリリースされたXeon E7-8800/4800/2800 v2シリーズ(以下、Xeon E7 v2シリーズ)は、Intelのx86系サーバープロセッサの中で最上位に位置する製品だ。
8ソケット対応の同シリーズを使ったサーバーは、最大120コア/240スレッド、12TBもの大容量メモリを搭載した超ド級のサーバーが構成でき、x86サーバーの利用領域を広げるものとして期待されている。
そこで今回は、発表資料を基にXeon E7 v2シリーズの特徴を解説していく。
待望されていたIvy Bridge世代のXeon E7
今回発表されたXeon E7 v2シリーズは、Intelのサーバー向けプロセッサとしては、最上位クラスのプロセッサだ。
以前のXeon E7シリーズは、Ivy Bridgeよりも2世代前のWestmere世代(製造プロセスは32nm)だった。しかし、22nmの製造プロセスになり、コア数も旧世代の最大10コアから、Xeon E7 v2シリーズでは最大15コアに増えている。Hyper-Threading(HT)を利用すれば、最大30スレッドをサポートするわけだ。
また動作クロックも、旧世代では2.4GHzが最速の製品だったが、Xeon E7 v2シリーズの15コア製品では、2.8GHzにアップしている。製造プロセスが進化したのにそれほどクロックアップしていないように思われるが、コア数を落として動作クロックを重視した製品としては、3.2GHz(10コア、TDP155W)も用意されている。
なおXeon E7 v2シリーズには、8ソケットサーバーが構成できる8800 v2シリーズ、4ソケットサーバーが構成できる4800 v2シリーズ、2ソケットサーバーが構成できる2800 v2シリーズの3種類が用意されている。
これらのシリーズの違いは、プロセッサ間を接続するQPI(Quick Path Interconnect)の数となる。2ソケットの場合はQPIは2本でいいが、4ソケットの場合は3本となる。8ソケットの場合は、1ソケットあたりQPIが3本となるが、入れ子構造で接続することで8ソケットをサポートしている。つまりこの場合は、すべてのプロセッサが1ホップでの接続とはならず、一部のプロセッサとの通信は、間に別のプロセッサを挟むことになる(2ホップ)。このため、パフォーマンス的にはデメリットとなる。
ただ、8ソケット対応のプロセッサをすべて1ホップで構成できるようにするには、1プロセッサあたりQPIが7本必要になる。QPIの本数が多くなるとプロセッサのピン数が多くなりすぎ、さすがに現実的なプロセッサとはいえなくなるため、こういった構成にしたのだろう。
また、Xeon E7 v2シリーズで8ソケット以上のサーバーを構成する場合は、サードパーティが開発したノードコントローラを利用することになる。ノードコントローラを利用する場合は、2ソケットを1ノードとして管理し、増設していくことになるが、どこまで増やせるかは、ノードコントローラのスペックによるだろう。
なお前世代のXeon E7では、PCI Express(PCIe)などのインターフェイスはI/Oハブチップを経由したため、さらにQPIが1本必要だった。しかしXeon E7 v2シリーズでは、同じIvy Bridge世代のXeon E5(以下、Xeon E5 v2シリーズ)と同様、プロセッサ内部にPCIeインターフェイスを内蔵したため、QPIの本数を1本減らすことができた。またPCIeも3.0に対応し、1ソケットあたり32レーンまでサポートしている。ちなみにXeon E7 v2シリーズでは、QPIもバージョン1.1になり性能も8GT/sにアップしている。