仮想化道場

最大24コア・48スレッドのミッションクリティカル向けプロセッサ「Xeon E7 v4」

Xeon E7 v4シリーズの機能は?

 Xeon E7 v4シリーズは、微細化された14nmプロセスを利用して、最大24コア/48スレッドを実現するプロセッサだ。内蔵のLLC(Last Level Cache)は最大60MBになり、サポートするメインメモリは1プロセッサあたり最大3TBになる。なお、最大容量の3TBをサポートするためには、128GBの3DS LRDIMM(3D Socket Load-Reduced DIMM)が必要になる。

Xeon E7 v4は、最大24コア/48スレッドのプロセッサ。Xeon E7 v3から比べるとコア数、LLCの容量ともに小幅なアップになった
Xeon E7 v2、v3、v4は同じプラットフォームを使用しており、プロセッサはソケット互換となっている
Xeon E7 v4は、SMBを経由して最大24本のDIMMを挿すことができる。これにより、最大3TBまでのメインメモリをサポートする
今回発表されたXeon E7 v4シリーズのモデルと価格

 Xeon E7シリーズは、Xeon E5シリーズとは異なり、プロセッサに直接メモリDIMMを接続するのではなく、メモリバッファのSMB(Scalable Memory Buffer)を経由して、1ソケットで最大24枚のDIMMを挿すことが可能だ。

 また、Xeon E7 8000シリーズを使えば8ソケットのサーバーが構築できるため、トータルでは192コア/384スレッド、24TBのメインメモリを持つサーバーとなる。さらにHewlett Packard Enterprise(HPE)やHuaweiなどでは、専用のノードコントローラを開発して、最大64ソケットのサーバーを実現している。

Xeon E7 v4は、2重のリングバスが2つ組み合わさることで構成されている。これは、Xeon E5 v4の最上位プロセッサとまったく同じだ
HuaweiのKunLunサーバーでは、専用のノード・インターコネクション・チップを使うことで最大64ソケットをサポート

 Xeon E5 v4では、最大コア数が22コア/44スレッド(内部的には24コアを持つが、さまざまな事情で22コアだけがアクティブになっている)、LLCの容量が55MBと、コア関連ではXeon E7 v4とあまり変わらない。

 ただしXeon E7 v4では、前述のようにサポートしているメモリDIMM数が異なるほか、ミッションクリティカルシステムにおいて高い信頼性や可用性を担保するためのRAS(Reliability、Availability、Serviceability)機能がサポートされている。

 またマイクロアーキテクチャがHaswellからBroadwellに進化したことで、いくつかの機能がアップしている。本質的には、Xeon E5 v4と同じため、ここでは注目する機能だけを挙げてみる。Broadwellアーキテクチャに関しては、Xeon E5 v4の記事(14nmプロセスを採用した「Xeon E5-2600 v4」)を参考にしてほしい。

 仮想化関係の機能としては、ハイパーバイザーがプライオリティ設定に応じてLLCの使用量をコントロールできるIntel Resource Director Technology(Intel RDT)が追加された。

 また、Posted Interruptsを利用すれば、複数の仮想マシンからの割り込みをまとめて処理できる。ハイパーバイザー自身が割り込みを受け付けるのではなく、Posted Interruptsが処理を行うので、ハイパーバイザーと仮想マシン間の遷移が少なくなり、仮想化全体のパフォーマンスがアップする。

 Page Modification Loggingは、仮想マシンのスナップショットを効率よく取る機能だ。

 このほかXeon E7 v4では、多数のコアと大容量のLLCをうまく運用するために、コアとLLCを仮想的に2つに切り分け、プロセッサ内部でコアとLLCをできるだけ近い距離で利用するようにするCluster on Die(COD)が、4ソケットで利用できるようになった。

4ソケットでもCODが利用できるようになった。CODにより、同じリングバス上のコアとLLCが積極的に利用されるようになる