週刊海外テックWatch
GoogleとAWSがカスタムAIチップの提供を拡大 NVIDIA一強は崩れるか
2026年11月2日 11:22
Trainiumを広げるAWS
Oracleの発表の2日後の10月29日。Amazon CEOのAndy Jassy氏が決算発表後の電話会見で、自社のAI向けチップ「Trainium」を外販することを明らかにした。「Trainiumへの需要は非常に強く、AWS外でも使いたいと顧客から言われ続けている。私たちは2027年後半に実現するつもりだ」と表明。質疑の中では、チップの外販は「非常に大きな事業になる」とも述べた。
ただ、供給量には限りがあるという。最先端のチップは各社が同じ製造元に頼っており、外販するか、自社クラウドで使うかを決めなければならない。判断は「おそらく毎年」見直すことになる、とJassy氏は説明した。外販ではすぐに売上となるが、自社で使えば5~6年にわたって、より多くの収益を生めるという。
またJassy氏は、需要の強さについて、Trainiumの契約額が前年比20倍超に増えたと述べた。AWSのAIサービス「Bedrock」の大半は、すでにTrainium上で動いているという。Trainiumについて、AnthropicとOpenAIと複数年、複数ギガワットの契約をしていることは、7月の決算説明会でも言及していた。Anthropicは前述のS-1で、Amazonに2026年5月から2036年4月までに少なくとも約1100億ドル(Trainium分かは不明)を支払うと約束している。
他方、TPUもTrainiumも利用環境が次第に整いつつある。10月20日に開かれた「PyTorch Conference 2026」では、AWSとGoogle CloudがそれぞれPyTorchの自社チップ上でネイティブに動かすためのソフトウェアを公開した。TPU向けの「TorchTPU」と、Trainium向けの「TorchNeuron」で、ともにオープンソースだ。人気のPyTorchから使えることは、両チップに追い風となりそうだ。