週刊海外テックWatch

需要は強いのに売られるネオクラウド 80%超が独立維持は困難との予測も
2026年10月26日 11:36
AIサービスを支えるネオクラウドの株価が急落している。代表格のCoreWeaveは半年前から半額以下に下げ、NscaleについてはMicrosoftが英国の拠点の契約を打ち切ったとの報道が出た。GPU需要は強いが、拡大を支えてきたのは巨額の債務だ。Gartnerが、2030年までに80%超が独立した事業を続けられなくなると予測する中、市場は返済力と顧客の偏りでネオクラウドを選別し始めている。
CoreWeave株が急落、英Nscaleは拠点契約の打ち切り報道
ネオクラウドは、自社が確保したGPUの計算能力をAI向けに貸し出すことに特化したクラウド事業者だ。その最大手CoreWeaveの株価が10月14日、1日で約15%急落した。Fortuneによると、投資家のChamath Palihapitiya氏がXに、同社の社債の利回りが15%に達したとする図を投稿したあとのことだった。10月23日の終値は54.24ドルで、半年前からの下落率は約54%になる。CNBCによると、10月20日時点でオランダのNebiusも1カ月前から27%下落している。
一方、10月18日には、Microsoftが英Nscaleのエセックス州ロートンのデータセンター契約を打ち切ったとThe Telegraphが報じた。ロートンは、両社が2025年9月に発表した拠点で、2027年第1四半期から約2万3000基のNVIDIA製GPUを稼働させる計画だった(電力容量は50メガワット)。さらに2025年10月、NscaleはMicrosoftとの契約を、テキサス、ポルトガル、ノルウェーを加えた4拠点で約20万基のGPUを提供するものに拡大していた。
契約打ち切りの背景には、建設の遅れと電力がある。The Telegraphによると、送電網の関係者が、2030年代まで電力供給の見通しが立たないとNscaleに伝えたという。Nscaleは、ロートンの計画には引き続きコミットし、代替電源を探る方針だ。Microsoftとの関係は「強固で長期的」で、他の契約には影響しないとしている。
The Telegraphは、こうした状況からNscaleのIPO計画も揺らぎかねないと指摘する。同社は今年9月に米証券取引委員会(SEC)にS-1(登録届出書)を提出し、NYSEに上場する意向だ。同紙によると、評価額は最大で約350億ドルになりうる。現在の非上場での評価額は約150億ドルだ。
S-1の数字から算出すると、MicrosoftとAnthropicの2社の最大契約額の合計は約884億ドルで、約1034億ドルに上る契約総額の約85%を占める。Microsoftが手を引いたのは1拠点だけだが、大口2社への集中が改めて意識されることになる。