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富士ソフト、中堅・大企業向けクラウドネイティブERP「BizSaaS」を提供 第1弾はIT業界向け

 富士ソフト株式会社は10月29日、中堅・大企業向けのクラウドネイティブERP「BizSaaS」を提供すると発表した。BizSaaSは、富士ソフトと株式会社システムインテグレータが2025年に設立した「株式会社BizSaaS」が開発した新しいERP。「会計や給与などは既存製品を使ってもらえばいい」(BizSaaS 代表取締役社長の梅田弘之氏)との方針のもと、販売や受発注などの業務機能を提供する。第1弾としてIT業界向けSaaSから提供を開始し、今後2年以内に、流通業向け、製造業向け、小売業向けにも提供する計画だ。

株式会社BizSaaS 代表取締役社長の梅田弘之氏

 製品は、クラウドネイティブである点や、AIとノーコード開発基盤によって進化を続けられる点などが特徴。価格は、IT業界向けの場合、50ユーザーまでの場合で月額30万円からを想定している。

 富士ソフトでは、新たにBizSaaSを手掛ける理由について、「基幹システム導入は当社の注力業務。提供しているERPの中には、カスタマイズ前提のものもあれば、ほぼカスタマイズできないものもある。BizSaaSはその中間的なところで、我々が狙っているターゲット層とも合致している」(富士ソフト 執行役員ソリューションビジネスユニット 副ビジネスユニット長 システムインテグレーション事業本部長の垣谷学氏)と説明している。

 今後5年間で、50社80億円程度の売上を目指す計画だ。

富士ソフト株式会社 執行役員 ソリューションビジネスユニット 副ビジネスユニット長 システムインテグレーション事業本部長の垣谷学氏

3層構造とシンプルな業種別SaaSで中堅・大企業を支援

 富士ソフトが51%、システムインテグレータが39%、システムインテグレータの代表取締役会長である梅田弘之氏が10%をそれぞれ出資している。BizSaaSの代表取締役社長には、梅田弘之氏が就任した。

富士ソフト株式会社と株式会社BizSaaSの関係

 梅田氏はこれまでに、「ProActive」「GRANDIT」といったERPを開発した経験を持つことから、今回も開発を主導した。「ERP開発は今回で3回目となる。もう引退しようかと思っていたが、今のERPはカスタマイズが発生するモデルが多く、1案件で3億円のコストがかかり、稼働までの期間も1年半や2年かかるものが結構多い。これをなんとかしたいと思い、引退前に、これから20年間もつERPを作ろうということで作ったものがBizSaaSになる」(梅田氏)。

 BizSaaSの特徴は、業種ごとに必要な機能を提供するシンプルな構造と、企業を問わない共通ニーズを標準機能に取り込んでいる点にある。また、導入の際には、利用者・FDE(Forward Deployed Engineer)・AIが“三者会談”で要件定義を行い、動く画面を見ながら業務に合ったシステムにしていくという。

ERP導入の改革:LiveFit

 製品の構造としては、クラウドネイティブのインフラ基盤、ノーコード開発基盤「BizCodeless」、業種SaaSの3層構造を採用した。画面、データ処理、フローをノーコードで構築可能なBizCodelessが、クラウド基盤と業務アプリケーションをつなぐ役割を担う。

BizSaaSの3層構造

 なお、BizCodelessはノーコード開発基盤であるものの、「ノーコード開発というと、現場で働くプログラミング知識がない人が担当者となるケースが多いようだが、それでは中堅・大企業向けシステムは開発できない。今回は、SQLの知識はあるが、日ごろから開発をしているわけではないという人材が開発者になることを想定している」(梅田氏)とした。

ノーコード基盤「BizCodeless」

 第1弾となるIT企業向けの「for IT」では、請負開発における契約・売上・外注に対応するほか、人材の契約形態、SaaSや保守における継続契約と課金の管理、製品やサービスごとに異なる商流の管理などを行える。

最初の提供領域 BizSaaSfor IT

 さらに、周辺サービスとして、業務共通のサービスであるワークフロー、通知、文書管理、権限管理などを用意。APIなどで会計・債権・プロジェクト管理などの他システムとの連携に対応する。また、業務で利用できるAI機能として、PDFや画像から業務画面へデータを取り込む機能も提供する。

充実した周辺サービスと外部サービス連携

 製品リリースは11月1日を予定している。その後、3カ月程度ごとに新しい業種向けSaaSを提供していく計画だ。2027年にはPaaSを提供し、新分野向けのSaaS提供も予定する。さらに2028年にはOEM提供、2029年には海外展開も計画している。また、既存製品については、市場要求に応じて3カ月ごとにアップデートを行っていく。

今後の予定 BizSaaS ロードマップ

 メインターゲットとなるのは、従業員数300人から1000人規模の企業。「海外製の大型ERPに比べ、シンプルで価格破壊となる製品。また、国産の業務システムと比べた場合は、クラウドネイティブであることの良さを訴求していきたい」(梅田氏)としている。

 富士ソフトは販売パートナーとなり、FDEの強化などを行いながら製品を販売していく計画だ。

富士ソフトとの実装パートナーシップ