週刊海外テックWatch

GoogleとAWSがカスタムAIチップの提供を拡大 NVIDIA一強は崩れるか

NVIDIAは強気

 NVIDIAは、これまでどう考えてきたのだろう。今年4月、同社のCEO、Jensen Huang氏は、ポッドキャスターのDwarkesh Patel氏の番組に出演した。主要モデルがTPUで訓練されていることがNVIDIAに何を意味するかを問われ、「私たちは非常に異なるものを作っている。NVIDIAの製品は『アクセラレーテッド・コンピューティング』であり、テンソル処理ユニットではない」とバッサリ切った。

 また、AI大手がNVIDIA以外のチップを使っていることについて尋ねられると、「Anthropicは特異な事例だ」として、TPUもTrainiumも成長は、100%Anthropicに負っていると語った。OpenAIは違うのではないかとPatel氏が聞き返すと、彼ら(OpenAI)は圧倒的にNVIDIAだと反論した。

 8月の決算説明会でも、Huang氏の強気は変わっていない。アナリストからOpenAIとAnthropicが自社でカスタムチップを設計していることを指摘され、「これらのXPU(カスタムチップ)の多くは、特定のクラウドやサービス向けの推論専用チップだ。だがNVIDIAはあらゆるクラウドで使えるプラットフォームだ」と答えている。

 だが、ここにきて、カスタムチップを利用する動きが相次いで表に出てきた。さらに10月27日付のThe Informationによると、Huang氏が「圧倒的にNVIDIA」としていたOpenAIもGoogleのチップを購入する計画だという。

 調査会社やアナリストは、今後カスタムチップが大きく増えると見込む。Counterpoint Researchは、AIサーバー向け計算用ASICの出荷数が2028年に1500万個を超え、データセンター向けGPUの出荷数を上回ると予測する。

 特にTPUは、CNBCによると2027年でTD Cowenが625億ドル、Wells Fargoが990億ドルの売上になると予想するなど、幅はあるものの大きな成長が見込まれている。Check Capital ManagementのChris Ballard氏は、「(Googleが)いずれNVIDIAのシェアを奪う可能性は十分ある」と述べている。

 NVIDIA一強時代は続くのか、Google、AWSが浸食してゆくのか。来年から競争は激化しそうだ。