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Twitterの新戦略が始まった? まずDMの文字制限緩和

 世界のコミュニケーションインフラとして地位を確立しているTwitterも、ビジネス面では苦しい戦いを強いられている。期待のユーザー数が伸び悩み、業績不振に陥ったTwitterは現在、暫定CEOのJack Dorsey氏の下で立て直し中だ。そんな中、同社は、ユーザー同士が直接やりとりできる「Direct Message(DM)」の文字制限を実質的に撤廃した。Twitterの攻勢が始まったのか――。

メッセージ分野の出遅れ

 Direct Message(DM)はTwitterアカウントを持つユーザー間で直接チャットができるサービスだ。これまで、ツイートと同様に140文字の文字制限があったが、これを1万文字にまで緩和する。実質的な制限撤廃と言ってよい。

 メッセージ分野では、LINE、WeChat、WhatsAppなどの専門サービスに加え、ソーシャルの巨人Facebookが「Facebook Messenger」を独立したプラットフォームとして展開する計画を明らかにしている。激しい競争が繰り広げられている分野で、Twitterはどちらかというと動きが遅かった。

 文字制限緩和は、DMを使いやすくするものだ。Twitterは新しい製品担当者の下で2014年秋にDMの強化を開始し、グループチャット、写真の送信、絵文字対応などを進めてきた。フォロー関係にない相手からのメッセージ受信も可能にした。そして今回の文字数の上限撤廃となる。

 DMの強化にこれほど時間がかかった背景として、Twitterの存在意義とDMの性質とが一貫しないという議論があったようだ。Wall Street Journalによると、社内では「公のフォーラムというTwitterのユニークな特徴を危うくするリスク」が懸念されていたという。さらには、DMには広告がなく、ビジネス的に見てもメリットがないとの意見もあった。

 だが、ライバル他社はメッセージ機能を強化してユーザーを集める戦略をとり、コアサービスとの相乗効果を狙っている。何かと比較されるライバルFacebookはその好例だろう。FacebookはMessengerに加え、買収によってWhatsAppも獲得している。

 今回のDMの上限撤廃を報じたThe Vergeは、DMのプロダクトマネージャーSachin Agarwal氏の「パブリックとプライベートの間をスムーズに移動できるようにしたい」という言葉を紹介している。Twitterもコアサービスとメッセージ機能を共存させていく方針を固めたと見られる。

(岡田陽子=Infostand)