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中国版「Stargate Project」が本格始動 一方でデータセンターの8割が稼働していないとの指摘も
2025年9月29日 11:19
「高性能GPUが活用されていない」
データセンター建設は猛然と進められているが、万事順調というわけではないらしい。
今年3月26日付のMIT Technology Reviewは、2023年から2024年にかけて建設されたAIデータセンターのうち、最大80%が稼働していない、あるいは十分に活用されていないと報じた。
データセンター建設には、国有・民間企業、国有系ファンドが一斉に参入したが、AIの実務経験に乏しい組織が急ピッチで建設した結果、「多くの施設が急ごしらえで建設され、業界基準を満たしていなかった」という。
Financial Timesも、技術者不足と需要不足のため、多数の高性能GPUが使われぬまま放置されてきたと指摘している。高性能GPUは米国の輸出規制をかいくぐって入手した貴重なリソースだ。
米国のシンクタンク、ランド研究所のシニアアドバイザーJimmy Goodrich氏は「大規模なチップクラスターを統合できる人材や企業は非常に限られている」とMIT Technology Reviewに解説している。
東数西算プロジェクトの成否は、データセンター群をネットワーク化して効率的に運用できるかがカギとなる。Financial Timesによると、中国当局はChina TelecomとHuaweiの技術を活用して、複数拠点に分散したプロセッサ群を中央集約型コンピューティングクラスターに統合するよう指示したという。Huaweiが8月に発表したネットワーク技術「UB-Mesh」がその中核になるとみられている。
だが、UB-Meshは新しい技術で、まだ評価段階だ。さらに米国の禁輸や国内のチップ開発における難関など、プロジェクトには課題も山積している。中国のデータセンター建設ラッシュの行く先は、まだ見えていない。