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AI時代のデータプラットフォーム戦略 DatabricksとSnowflakeのデータベース買収競争
2025年6月9日 11:17
なぜPostgreSQLがAIエージェントの標準基盤となるのか
PostgreSQLは、その起源を1980年代後半にまでさかのぼることのできるリレーショナルデータベースだ。オープンソースや柔軟性などの特徴から開発者の間で人気が高く、「世界の開発者の49%がPostgreSQLを利用している」(Snowflakeのプレスリリース)という。だが、30年以上も前に誕生した技術が、なぜAI時代に重要となったのだろう。
AIエージェントとの相性という点では、PostgreSQLは動的な特徴が重宝されているようだ。SiliconANGLEは、「AIエージェントは機械のスピードでオペレートされなければならない。伝統的な(人による手動の)データベースプロビジョニングがボトルネックになっている」と指摘する。
AI向けの機能も加わっており「(PostgreSQLの開発)コミュニティは従来のリレーショナルやSQL用途だけでなく、時系列、JSON、ベクトル検索についても優れた機能を継続的に追加しており、利用可能なものとしては最高レベルの地理空間機能を誇っている」とデータアナリストのSanjeev Mohan氏はVenture Beatに述べている。
Venture Beatは、「PostgreSQLは大企業で幅広く利用されているが、おそらく、より重要なこととして、AIエージェントの基盤として使う開発者が増えている」と記している。
例えばDatabricksが買収するNeonは、サーバーレスアーキテクチャによってAIエージェントの要求に迅速に応えることができる。Databricksの共同創業者兼CEOのAli Ghodsi氏はプレスリリースで「AIネイティブ、エージェント主導のアプリケーションの時代に入り、データベースに求められる要件が根本から変化している」と述べている。