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「Slack」がプラットフォーム戦略強化 いま注目の企業向けメッセージ
(2015/12/21 09:24)
国際社会、経済と激動の2015年。ハイテク業界はというと次々と生まれる新しいサービスに支えられて活況を呈した。今年もあとわずかとなったところで、企業向けチームコラボレーション「Slack」のSlack Technologiesがアプリ開発に8000万ドルを投資する計画を発表し、プラットフォーム戦略を一歩進めた。この分野はIPO(株式新規公開)したばかりのAtlassianもあり、2016年の注目分野となりそうだ。
Slack、“ユニコーン”ベンチャーの代表格
「Slack」はカナダ生まれのリアルタイムコラボレーションアプリで、主としてチームでのメッセージのやり取りに使われている。Slack Technologiesは2009年設立(当初の名称はTiny Speck)。最初はゲームを開発したが不発で、その後、企業向けのコミュニケーションにフォーカスしてSlackを開発した。
Slackは当たった。2013年夏にローンチするや24時間で8000人が登録。名門Kleiner Perkins Caufield & Byers(KPCB)などの投資を受け、あっという間に企業価値10億ドルの“ユニコーン”となった。Slackによると、現在の1日のアクティブユーザーは200万人、このうち57万人は有料版を利用しているとのことだ。これまで合計で3億4000万ドルを調達し、11月に1億6000万ドルを調達した時には、企業価値は28億ドルと評価された。
今回の8000万ドルの投資計画は、「Slack Platform」ローンチの一部として発表された。約半分をSlack、残りの半分をKPCB、Andreessen-Horowitzなどベンチャーキャピタル6社が拠出し、Slackとやり取りできるアプリの開発に投資する。この“Slackファースト”アプリ、それにSlack統合機能が中核となるエンタープライズやB2Bツールも投資の対象となる。Wall Street Journalなどによると、生産性にフォーカスしたツールをステルスモードで開発中のSmall Winsなど数社への投資がすでに決定しているという。
Slackはこの「Slack Fund」に合わせて、プラットフォーム戦略強化のため2つの発表も行った。1つ目は最新のアプリカタログ「Slack App Directory」で、Slackで動くアプリや拡張機能を集めた。デザイン、マーケティング、開発ツールなどすでに160以上のアプリがあり、カテゴリー別、人気別に検索できる。Twitter、Google Drive、Dropboxなどと接続するアプリも含まれているようだ。
2つ目はSlack開発フレームワーク「Botkit」だ。プロジェクトマネジメントのHowdyが開発したもので、Slackとやり取りできるアプリを容易に開発できるという。