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Firefox OSスマートフォンに終止符 立ち位置を模索するMozilla

 Mozillaは、戦略的プロジェクトとして進めてきたHTML5ベースのモバイル向けOS「Firefox OS」の方針を変更した。Firefox OSを搭載したスマートフォンのキャリアによる提供を中止し、“コネクテッドデバイス”つまりIoT(モノのインターネット)にフォーカスする。AndroidとiOSの独占状態を打破するという当初の目標を断念することになった。

Firefox OSはスマートフォンからIoTへ

 Mozillaは12月8日、米国で開催した開発者向けイベントでFirefox OSスマートフォンの提供を中止することを明らかにした。その後、公式ブログで声明を発表。「Update on Firefox OS(Firefox OSに関するアップデート)」として、「最善のユーザー体験を提供できなかった。そこで、キャリアチャネルを経由してのFirefox OSスマートフォンの販売を中止する」と述べた。

 翌9日付で更新されたブログでは「Firefox OS Pivot to Connected Devices(Firefox OSはコネクテッドデバイスに軸足を変更)」として、IoT市場を狙う新しい戦略を発表した。「(IoTが成す)新しい将来に向けた試作をすぐに開始する。ここではFirefox OSプロジェクトの一部として開発した技術を利用することで、取り組みを迅速に進める」としている。

 Firefox OSスマートフォンは、世に出て約2年半で打ち切られることになった。

(岡田陽子=Infostand)