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「ついにロボットが感情を持った?」 Googleの人工知能実験

マシンが自分で読み、理解するようになる

 ニューラル・ネットワークの研究は猛烈なスピードで進んでいる。中でも「ディープ・ラーニング」はGoogleだけでなく、Facebook、IBM、Microsoftなどライバルも競って推進している技術で、Vinyals氏たちの実験もその成果の一つだ。

 ディープ・ラーニングはネットワークを多層化して、複雑なデータ構造を解析・学習し、人間が関与することなく能力アップする。ビッグデータ時代にぴったりのソリューションだ。既に、Googleのサービスでも、写真認識、Androidスマートフォンからの音声認識などで活用されているという。

 MIT Technology Reviewが6月、この分野の研究を進展させるかもしれないアイデアを報じている。自然言語処理に利用するもので、昨年初めGoogleに買収されたディープ・ラーニングのベンチャー、英DEEPMIND Technologies(現Google DeepMind部門)の研究者Karl Moritz Herman氏らが考案したものだ。

 ディープ・ラーニングではデータを大量に与え、マシンに自己学習をさせて、さまざまな事柄の判断基準を覚えさせる。しかし、言葉の関係を理解できるようにするため、データテキストに「注釈」を付けた膨大なデータベースが必要になる。しかし、これまで注釈付けの作業は人間がやらざるを得ず、大きな作業負担になっていた。

 そこで、Herman氏らは、Daily Mail、MailOnline、CNNというオンラインニュースのコンテンツを利用する“レディメイド”方式を思いついた。これらのサイトは、記事の要点を本文から独立した形で、個条書きにして表示している。これをデータベースとして与えたマシンは、質問に対する正解率が顕著にアップしたという。

 このアイデアは、マシンが読み、理解する能力を持つために有効と考えられるという。「マシンが読む時代」が、遠からずやって来ると、MIT Technology Reviewは締めくくっている。

行宮翔太=Infostand