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IoT規格争い始まる それぞれの思惑

ベータマックスとVHSの戦いが再び?

 Google/NestはAllSeenなどの業界団体に参加せず、独自に進めようとしている。Appleは6月の開発者イベントでスマートホーム技術「HomeKit」を発表、次期「iOS 8」に搭載する予定だ。SamsungはAllSeenには参加せず、ウェアラブルでは自社が推進するTizenをベースとしたスマートウォッチを発表する一方、「Android Wear」機種も発表した。

 チップ側ではQualcommのライバルIntelの動きが注目されている。IntelはReutersの取材に対し、「複数の動きがあり、IoTの接続性の課題に対するアプローチがそれぞれ異なる」とし、現時点ではすべての要件を満たす取り組みはないと述べている。

 もちろんこれだけではない。ARMの本拠地・英国では、ARMやBTなど40社が「HyperCat」を立ち上げている。

 さらにReutersは業界の情報筋から得た話として、「Qualcommと競合するチップメーカーが、対抗する標準化コンソーシアムを近く立ち上げる予定」との事前情報を伝えている。

 こうした状況から、IoTをビデオ規格戦争になぞらえた報道が目立つ。「ベータマックスかVHSか」。1980年代の規格争いはVHSの勝利に終わったが、必ずしも技術的優位性のみでの勝利ではなかった。対立する規格の中からそれが優位になるかには、さまざまな要因がある。IoTも同じだろう。

 IoTになんらかのデファクトが必要なのは明らかだ。だが、それがどこになるのかはまだわからない。Bernsteinのアナリスト、Stacy Rasgon氏はReutersに、「IoTは実験段階であり、将来どのようになるのかまだ誰にもわからない」と述べている。

岡田陽子=Infostand