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3DプリンターのAndroidとなるか? Autodeskが3Dプリンタープラットフォーム

 3Dプリンター・ブームが巻き起こっている。その可能性は大きく、同時に、悪用への懸念も浮上している。こうした中、CADソフトウェアのAutodeskが3Dプリンター技術のソフトウェアプラットフォーム「Spark」の立ち上げを発表した。オープンソースで提供するという。Sparkをベースとした3Dプリンターハードウェア製造も明らかにしており、ハードウェア分野へも進出する。目指すのは“3Dプリンター界のAndroid”という。

3Dプリント技術のオープンなプラットフォーム

 5月14日に発表されたSparkは、デジタル情報の3Dプリンターへの送信や、実際の印刷過程を制御するなどのプラットフォームを定義するものだ。モデルのビジュアル化や最適化を容易にするなど3Dモデルの印刷を合理化し、信頼性を高めることを目的としている。

 共通のソフトウェアプラットフォームを構築することで、メーカーは安価に3Dプリンター製品を製造できるという。また、素材を供給するサプライヤーや研究者にしてみれば、ハードウェアが共通化されることで市場が拡大するとしている。もちろん、このようなプラットフォームは3Dプリンターに必要なソフトウェアや拡張技術を開発するソフトウェア開発側にもメリットがある。

 AutodeskはSparkのリファレンス実装として、自社もSparkベースの3Dプリンターを製造する。同時に、Sparkはオープンソースとしてライセンスフリーで公開するとしており、他社がこれを利用して安価な3Dプリンターを製造することを奨励する姿勢だ。立ち上げ時点では、ライセンス方式は公表しておらず、ハードウェアメーカーを含めパートナーも発表していない。

 Sparkを発表したAutodeskのCEO、Carl Bass氏はブログで、「SparkとAutodeskが製造するリファレンス実装によって、製品設計者、ハードウェアメーカー、ソフトウェア開発者、素材研究者は3Dプリンター技術の可能性を拡大できる」と述べている。なお3Dプリンターの価格は1000ドル台まで下がっているが、Autodeskのプリンターは一般ユーザーではなくプロフェッショナル向けで、5000ドル程度になるという。

(岡田陽子=Infostand)