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「スマートフォンに目を持たせる」 GoogleのProject Tango

部屋の3Dマッピングでできるようになること

 Project Tangoによって実際に何ができるのだろう。Washington Postは「あなたの部屋をマッピングすることで可能になるだろう5つのこと」として、利用ケースを紹介している。(1)Shopping: ショッピング(2)Directions:建物の中の案内(3)Help for the visually-impaired:視覚障害者支援(4)Emergency response:緊急誘導(5)Augmented reality gaming:AR(拡張現実)ゲーム――の5つだ。

 ショッピングは、巨大店舗の店内をデータ化して買い物客が目的の場所に迷わず直行できるようナビゲーションする使い方。また、買い物客が、自宅の部屋を3Dデータ化しておくことで、置ける家具のサイズを店頭でチェックできるようになる。建物の中の案内は、入り組んだビル内でのナビゲーション。視覚障害者支援は、さらにこのナビを音声で行うことで、目の不自由な人も利用できるもの。また、自分の家をマッピングしておけば、スマートフォンに目の代わりになってもらうこともできるだろう。

 緊急誘導は、例えばビル火災の現場で、消防士に建物内部のデータを使ったナビゲーションを提供するものだ。Googleの別プロジェクト「Project Glass」では、消防士が装着したGoogle Glassに建物の設計図を投影するというアイデアがあり、これをさらに使いやすくできるだろう。

 これら4つが基本的にナビゲーションであるのに対し、ARゲームではもっと違った使い方ができそうだ。現在、GoogleがARゲームで想定しているのは、リアルの部屋にARのオブジェクトを重ねて表示(マッピング)するといったことだ。「自分の部屋を友達と陣地に分けて、小さなバーチャル軍隊で戦う」(Project Tango Webサイト)といったゲームを開発できるという。

(行宮 翔太=Infostand)