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「スマートフォンに目を持たせる」 GoogleのProject Tango

Project Tangoの可能性

 そして、Project Tangoの16のパートナーの1社であるFlyby Mediaが早くも2月28日、Tango第1号になるとみられるアプリケーションを発表した。SNSアプリの一種で、友達の部屋にあるリアルな物体(オブジェクト)に、デジタルのメッセージを張り付けることができるものだ。

 従来のARアプリでは、印刷した「マーカー」に対して特定のメッセージや画像を重ね合わせて表示するものがあった。これに対してFlybyのゲームは、ユーザーの部屋の一部や所有物など身近なものをマーカー代わりに使える。

 例えば、恋人と楽しいときを過ごしたソファに「○ちゃんと、ここで映画の話をしたよね」などのメッセージを置いておくといったことができる。相手はアプリを通してオブジェクトの上にメッセージを見る。あらかじめ知らないと分からないわけで、プログラミングの世界でいう「イースターエッグ」(機能と無関係な隠しメッセージ)のようなものだと説明している。

 デバイスが目を持って、空間を認識できるようになる。これはすなわち、リアルとバーチャルをつなぐ新しい手法が使えるようになるということだ。その可能性は極めて大きい。Project Tangoは、開発者に公開されたことで、いよいよ始まった。数年後には、今からは想像もつかなかったような斬新なアプリケーションが生まれるのだろう。

行宮 翔太=Infostand