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「スマートフォンに目を持たせる」 GoogleのProject Tango

3Dスキャナーをモバイルデバイスに組み込む

 物体を非接触で3Dデジタルデータ化する技術は、既に広く使われている。近寄ることのできないような位置にある建造物を、離れた場所から3Dレーザースキャナで測量してモデル化するといった手法で、建設現場の測量や文化財の保存などではおなじみの技術だ。

 Tangoは、これをモバイルに持ち込んだと言える。今ホットな3Dプリンターも3Dスキャナーの小型化・低価格化が支えているが、それ以上の小型化だ。さらに、モバイルでは低消費電力が必須条件として求められる。この部分でカギとなったのは、Project Tangoの16のパートナーの一つで視覚コンピューティング技術のMovidiusだ。

 Movidiusは創業7年のベンチャーで、モバイル向け3D処理プラットフォーム「Myriad」を主製品としている。Myriadはマルチメディアプロセッサと専用ソフトウェアからなるプラットフォームで、2D動画の3D変換や、リアルタイム動画編集を売り物にしている。Project Tangoには同社の新しいプラットフォーム「Myriad1」が採用されており、コンパクト、低消費電力で、モバイルデバイスで3Dマッピング処理を行うことが可能になったという。

 MovidiusのCEO、Remi El-Ouazzane氏はCNETのインタビューに答え、「Myriad 1」が、プロセスの最適化によって非常に省電力になっていると説明。「(火星探査機)マーズローバーで使用されているのに似た技術を使用している」と述べている。さらに、「Project Tangoから生まれるものはまだ何も見える形になっていないが、今後24カ月にやってくるものは、驚くべきものになるだろう」と同プロジェクトの展開に自信を見せる。

(行宮 翔太=Infostand)