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XboxとBingを打ち切り? CEO候補Stephen Elop氏の腹の中 (XboxとBingは邪魔もの)

XboxとBingは邪魔もの

 Elop氏の“Xbox部門売却検討”は、Bloombergが同氏の考えをよく知る匿名の人物の話として伝えたものだ。それによると、Elop氏は、Windowsベースのハードウェアにテコ入れするよりも、Officeの販売を最大化する方がMicrosoftの価値を高めることができると考えている。つまり、Microsoft Officeをビジネスの中心にした「選択と集中」を行おうというものだ。

 その中でElop氏は、MicrosoftがよりOffice戦略にフォーカスするためには、主要なビジネスを閉鎖や売却する用意もあるという。対象となるのは、対Googleで注力しているBing search engineやXbox関連で、Xboxのような好調なビジネスさえ、戦略の足を引っ張るなら撤退を検討する、と匿名の人物は語ったという。

 ただし、この人物は、Elop氏がそういったことを考えているが、結論したわけではないと念を押している。もちろん、Elop氏がCEOになると決まったわけでもない。

 この話には前段がある。今年6月、Nomura Equity ResearchのアナリストRick Sherlund氏が、配当を増やすにはBingとXboxの売却を検討すべきだとのレポートを出した。業績の低迷から同社に対する株主の不満が高まってきた時期のことだ。

 Sherlund氏の試算では、両部門の売却などの措置をとることで、2015年の利益が40%増になるという。MicrosoftはXboxの年間の赤字は20億ドルで、同社はAndroidの特許料約20億ドルで補填していると同氏は分析する。Sherlund氏だけでなく、アナリストの中には、こうした「kill Bing and kill Xbox」を提言する者も多い。

 ほかにも、Microsoft共同創設者であるPaul Allen氏が、次期CEOはXboxを含むコンシューマービジネス部門を切り離すことも考慮すべきだ発言した、とForbesが伝えている。10月にニューヨークで開かれたFinancial Timesの投資サミットでのことで、Allen氏は、Microsoftはベストコンピテンシーに絞るべきであり、「いくつかの事業を切り離し、取り除き、エンタープライズやクラウドにフォーカスすべきでないか」と語ったという。

 Forbesへの寄稿で、この話を紹介した英Adam Smith InstituteフェローのTim Worstall氏は、Microsoftが傘下にWindowsとXboxのビジネスを一緒に持っておく必要はないと述べている。むしろ今のような関連の薄い事業を全部抱えておくのは全体としてのクリエイティビティを阻害するため、事業を分割すべきだとの主張を展開している。

(行宮 翔太=Infostand)