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AIインフラ投資に陰り? Microsoftがデータセンターの契約の一部を撤回

なぜ、投資を取りやめたのか

 ハイパースケーラー各社はAIインフラへの投資を拡大し続けている。

 Amazonは2025年度(1-12月)に1000億ドルの資本支出を計画しており、そのほとんどをAWSのインフラ構築にあてる予定だ。また、Googleは750億ドルの資本支出を計画。Metaも最大650億ドルをクラウドとAIインフラに投資することを明らかにしている。

 投資会社は皆データセンターへの巨額の投資を見込んでいる。Blackstoneは、米国のデータセンターへの今後5年間の投資額は1兆ドルを超えると予想。またApollo Global Managementは、同期間の世界の投資機会が2兆ドルに達すると予想している。

 この空前のデータセンターブームの中でのMicrosoftの奇妙な動きについて、TD Cowenは、供給過剰のほかにも、いくつかの考えられる要因を挙げている。

 まず、OpenAIがStargateプロジェクトでOracleとの提携を拡大したため、Microsoftの計画の一部が不要になった可能性がある。また、Microsoftが社内投資の一部を国外から米国へと再配分しているということもありうるとしている。

 そしてもうひとつの要因が“DeepSeekショック”だ。年明け早々の中国DeepSeekの登場は、高性能な基盤モデルの訓練を低コストでできることを示し、そのニュースを受けてNVIDIAをはじめハイテク株が急落した。

 「米国のテクノロジー企業がAIインフラに投じた数十億ドル規模の投資に対する投資家の懐疑心が高まっている」(TD Cowen)というのだ。