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Webパブリッシャーに影響? Googleの新機能「AI Mode」開始

 Googleが新たな検索機能「AI Mode」の試験運用を開始した。AIがWeb検索でユーザーの質問に回答する機能で、ページに誘導する従来の「青いリンク」方式を根本的に変えることになる。AI検索はOpenAIの「ChatGPT Search」やPerplexityが急拡大しており、Googleの検索市場の地位を脅かす可能性がある。またAI検索は同時にWebコンテンツパブリッシャーにとっても重大事だ。

Gemini 2.0ベースの本格AI検索

 3月5日に発表された「AI Mode」は、ユーザーの検索クエリに対して包括的な回答を生成する機能で、生成した結果を1ページ分すべて表示する。従来の検索エンジンが、関連するWebページのリンクをリストアップするのに対し、AIが情報を統合する。

 例えば、ユーザーが「スマートリングとスマートウォッチの睡眠追跡機能の違い」を検索すると比較表を作成し、関連するフォローアップ質問を挙げ、ユーザーの求めに応じて答える、とGoogleは説明している。

 AI Modeは、Googleの大規模言語モデル「Gemini 2.0」のカスタム版を使用しており、Webコンテンツだけでなく、ナレッジグラフやショッピングのデータも使用。サブトピックを含む複数の関連検索などを実行して回答する。

 従来の検索結果のような「10個の青いリンク」が表示されることはなくなるが、結果に「高い確信」が持てない場合は、Web検索結果のセットに戻って表示されるという。

 Googleは2024年5月のGoogle I/Oで、検索クエリに対して回答の概要を表示する「AI Overviews」を発表し、各国で順次展開している。これに対し、AI Modeはユーザーと対話しながら、推論も使って、より深い探索を行うという。

 Googleは、この段階を経て、いよいよ本格的なAI検索を導入したと言える。