Infostand海外ITトピックス

「Googleの影のキャンペーン」 Microsoftが“暴露”して欧州での活動を非難

Google側は「Microsoftの反競争的行為」と反論

 異例の正面きってのライバル非難を、メディアは一斉に報じた。両社の動きを、欧州での対立の再燃につながるものとみている。

 「GoogleとMicrosoftのライバル関係は数十年も続いているが、ブリュッセルでの最近のロビー活動の衝突によって、両社の間に再び敵意が燃え上がった」(POLITICO)、「Googleは自社バージョンのCISPEを立ち上げ、欧州の政治的権力者に働きかけることをその使命に掲げている」(Tech Crunch)などだ。

 また、TechCrunchは、この動きが、EUの執行機関として新しい欧州委員会(EC)が2024年内に発足することや、英国でクラウドベンダーによるロックインの調査が進行中であることなどに合わせたものだと分析している。

 Google側はどうだろう。同社の広報担当者はメディアに対して、以下のようにコメントしている。

 「私たちは、Microsoftのクラウドライセンスに対する懸念を公に表明してきた。Googleそして他の多くの人々は、Microsoftの反競争的行為は顧客を囲い込み、サイバーセキュリティ、イノベーション、選択肢に悪影響を及ぼす負の波及効果を生み出すと考えている。 これらの問題に関する私たちの多くのブログ投稿で、さらに詳しく説明している」

 もちろんGoogle自身も独禁当局のターゲットだ。

 Googleは2017年、比較ショッピングサービス「Google Shopping」で、自社を不当に優遇し、競合他社のサービスを検索結果で不利にしたとして、ECから24億2000万ユーロ(約3800億円)の制裁金を科された。

 同社はこれを不服として異議を申し立てていたが、今年9月、欧州連合司法裁判所(CJEU)がECの決定を支持し、敗訴したところだ。ほかにも、AndroidとAdsenseについて制裁金を科された2つの独禁関連の決定について係争中だ。

 欧州クラウド業界の中でOCCは立ち上がったばかり。今後どのような活動を展開するのか、Microsoftはどのように対応するのかが注目される。