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OpenAI/Microsoft、Googleと提携 Oracleのクラウド拡大戦略

 OracleがOpenAIおよびMicrosoftにOracle Cloud Infrastructure(OCI)で追加容量を提供すると発表した。また、Google Cloudに対してOCIデータベースを直接接続する提携も発表した。いずれも急増するデータセンターの負荷を引き受ける内容だ。3大クラウドに大きく水をあけられているOracleだが、ここに来て生成AIの波に乗っている。

OracleでOpenAI向けMicrosoft Azureを拡張

 Oracleは6月11日、「OpenAIがMicrosoft Azure AI Platformを拡充するためOracleを選択した」と発表した。OpenAIのワークロードの実行にOracleのクラウドを利用するというものだ。

 OpenAIとMicrosoftは戦略パートナーシップを結んでおり、OpenAIのAIモデルをAzure AI Platform上で開発・運用している。今回の発表では、Microsoft Azure AIの拡張にOCIを使用することで、「AIモデルの開発と提供を加速する」(OpenAI)という。

 大規模言語モデル(LLM)の訓練には大量の高性能GPUを備えたデータセンターが必要となる。AI需要に対応するため、Microsoftなど大手クラウドは米国内外で大規模なデータセンターの建設計画をそれぞれ進めているところだ。

 一方、OracleはLLMのトレーニングに最適化された「OCI Supercluster」を提供している。NVIDIA GPUを搭載したOracleのコンピュートベアメタルで、パフォーマンスの高さが売り物だ。

 同社は「6万4000個のNVIDIA Blackwell GPU、またはGB200 Grace Blackwell Superchipsまで拡張できる。超低遅延のRDMAクラスタ・ネットワーキングで接続され、HPCストレージを選択可能」と説明している。

 Oracleの共同創業者でチェアマン兼CTOのLarry Ellison氏は「世界最高のLLMの構築に向けた競争が始まっており、OracleのGen2 AIインフラへの需要が無限に高まっている」とコメントしている。