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OpenAI/Microsoft、Googleと提携 Oracleのクラウド拡大戦略

マルチクラウド戦略進めるOracle

 Oracleは同じ日、決算発表を行った。売り上げはアナリストの予測を下回ったが、株価は急上昇した。

 SiliconANGLEによると、決算発表のオンライン会議で、CEOのSafra Catz氏は、膨大なAI需要のバックログに追いつくため、「クラウドキャパシティの構築にできる限り迅速に取り組んでいる」「OracleクラウドでAIモデルをトレーニングする膨大な需要がある」と述べたという。

 Catz氏の説明では、Oracleはこの四半期に30件以上のAI販売契約を結び、総額は125億ドルに上ったという。投資家はAI需要が売り上げ不振を吹き飛ばすに十分な材料だと判断したようだ。

 業界としてはどうか。Information Weekは「AIの台頭が加速する容量競争は、クラウドでのバーター契約の増加につながる」と分析している。

 その中でGartnerのテクノロジーおよびサービスプロバイダーグループ担当バイスプレジデントのSid Nag氏は、OracleとGoogleの提携は「OracleとMicrosoft Azureの契約に匹敵するもの」で、「マルチクラウドの概念全体を促進する」と評価している。

 そして「クラウドが、ガス会社や電力会社のようなユーティリティになるにつれ、クラウドプロバイダー間で容量のバーターが行われるようになる」と予想。「AIは膨大な容量需要をけん引するだろう」と述べている。

 また、DB管理システムのCockroach Labs CEO、Spencer Kimball氏は、AIモデルはハードな計算を行ったあとに作成するため、必要な計算資源は比較的小さく、どこで行うかは問題ではないと解説。「ハイパースケーラーはトレーニングに最適な場所ではない」とも述べている。

 さて、Microsoft、Googleとなると、気になるのはトップのAmazonだ。元Oracleのチーフ・コミュニケーション・オフィサーでAcceleration Economy共同創業者のBob Evans氏は、Amazon CEOのAndy Jassy氏に次のようにアドバイスしている。

 「IT支出をもっとクラウドに移行させたいのであれば、Oracleとのマルチクラウド提携をToDoリストのトップにする必要がある」。Amazonはどう考えるだろう――。