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Ridgelinez、耐量子計算機暗号(PQC)への移行支援サービスを提供
2025年10月24日 12:34
Ridgelinez株式会社は24日、量子コンピューターによる既存暗号の脆弱化に備えた耐量子計算機暗号(以下、PQC)への移行支援サービスを提供開始した。サービスでは、幅広い業種のクライアントに向け、従来の暗号技術からPQCへの移行に必要となる暗号化資産の棚卸しから移行戦略・計画の策定、技術対策の検討まで、経営戦略と整合した包括的な支援を提供する。
サービスにおいてRidgelinezは富士通と連携し、富士通の量子分野における知見、各業界の業務に関する知識、各ソリューションの専門性を活用して、PQC移行に向けた技術支援を含む対策を検討する。また、クライアントの経営陣をはじめシステム部門、リスク管理部門、内部監査部門などの関係部門に対してサービスを通じて、予算措置、人材確保、外部ベンダーとの調整などの対応を支援し、全社を巻き込んだ円滑なPQC移行を後押しする。
サービスでは、まず暗号技術によって保護されている情報資産の棚卸しであるクリプトインベントリの整備により、既存暗号が解読されるリスクを網羅的に抽出する。これをIT計画やサイバーセキュリティ計画と整合させ、リスクの大きさや重要度に基づいて、移行対象システムの優先順位付けを行う。
次に、将来的に新たな暗号技術が登場した場合や、暗号危殆化(きたいか)の事態に陥った場合でも、システム全体を大きく変更することなく、柔軟に新しい暗号方式へ切り替えられるような設計(クリプトアジリティ)を実装したアーキテクチャの検討を進める。また、技術・運用上の課題整理、PQCに対応したクラウドサービスの活用可能性の評価などを行い、PQC対応のロードマップを策定する。
そして、クリプトアジリティが確保できる技術的対策を実装・運用し、ロードマップに沿って影響度の大きいシステムから順次PQCへの移行を行う。加えて、PQC移行プロジェクト全体の企画立案や進捗管理を担うプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)などの支援も行う。
Ridgelinezはサービスを通じて、量子コンピューターによる暗号脅威から情報を守ることで、企業や組織のサイバーセキュリティ対策を強化し、デジタル社会における安全かつ持続可能なビジネスの実現に貢献することを目指すとしている。
