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セキュリティ市場の流れは変わるか? CiscoのSplunk買収

セキュリティ市場の再統合が始まる?

 セキュリティ市場の面からはどうだろう。

 オンプレミスからクラウド、モバイルやIoTの広がりなど環境の変化を受けて、セキュリティも変化している。その重要性は高まっており、既存のセキュリティベンダーに加えて、新興ベンダーが生まれているほか、Microsoft、Googleなど他の分野からも同市場に拡大してきている。

 例えば、Googleは2022年、54億ドルでMandiantを買収している。Cisco、Splunkも目的は同じと言えよう。

 Splunk買収によってCiscoがオブザーバビリティ、サイバーセキュリティで得るものは大きく、「長期的には大きなチャンスとなる」とNAND Researchのアナリスト、Steve McDowell氏はForbesへの寄稿で記している。

 一方で、Ciscoは自社の膨大なポートフォリオにSplunkの技術をマッピングしていくことになるが、これは簡単な作業ではない。顧客の混乱や不確実性が生まれることは不可避であり、オブザーバビリティ、SOC、SIEMなど各分野のプレイヤーがCiscoやSplunkの顧客を獲得できるチャンスにもなる、とMcDowell氏は分析している。

 Forresterの首席アナリスト、Allie Mellen氏も同様の予想を示し、SIEMを例にとって「MicrosoftのSIEMであるSentinelには大きなメリットになる」とSilicon Angleにコメントしている。

 セキュリティ業界の動きは活発だ。Splunk買収合意の発表直前には、セキュリティのCrowdStrikeがBionic.aiを買収することが明らかになった。また、Palo Alto NetworksがマルチクラウドのデータセキュリティエンターDig Securityを買収するとの報道も出ている。