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Amazonがデバイス製品を刷新 次のリーダーはMicrosoftから?

デバイス部門の受難

 Limp氏は入社13年半。Echo、Fire TV、Fire tabletなどを世に送り出し、KindleぐらいしかなかったAmazonデバイス事業を大きく育ててきた。特にAlexaデバイスは、「AIアシスタント」という言葉を世界に広めた大ヒット製品だ。販売台数は5億台を突破し、数百万の家庭で利用されているという。

 その配下で開発を手がけてきたデバイス部門、通称「Lab126」は花形部署だったはずだが、昨年から陰りが見えるようになった。

 2022年10月、Lab126の Gregg Zehr社長と、Alexa担当シニアバイスプレジデントのTom Taylor氏が8月に退任していたと報じられた。いずれも重要な幹部で、Zehr氏はKindleの発明者、Taylor氏はCEO直属の最上級チームのメンバーだった。

 そして11月、Amazonが1万人の従業員を削減することが明らかになった。その後、規模は拡大し、計約2万6000人まで膨らんでいる。Alexaを担当する部門は、その最初の対象となった。デバイス部門の業績は近年、芳しくない。Wall Street Journalは、営業損失が50億ドルを超える年もあったと報じている。

 Ars Technicaは、同社のデバイス事業が「基本的に原価で販売して、ユーザーの家に届いてから収益を生むことを期待する」戦略であり、驚異的に成功してももうけにならないことがあると解説。EchoやAlexaでは、2022年末の時点で約100億ドルを失ったとみている。

 Reutersはイベント直前の9月19日に「アマゾンのデバイス部門で士気低下」 と題し、人員削減や幹部の離脱が続いた中、デバイス開発部門のメンバーは新しいデバイスが失敗に終わることを心配している、と伝えている。