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Google Cloudは「Duet AI」で大幅強化 Google I/O 2023

売りはターゲットの広さ

 Duet AIの競合には、Copilot Xのほか、Amazon Web Services(AWS)の「CodeWhisperer」や、IBMが5月初めに「IBM watsonx」で発表したAnsible向けのコードアシスタント機能などがある。

 InfoWorldはGoogleのアプローチの違いとして、「競合他社が開発者をターゲットにしているのに対し、Google Cloudは全てのGoogle Cloud利用者をターゲットに、企業がより価値を得られることを売りにしている」と紹介する。

 Omdiaのチーフアナリスト、Bradley Shimmin氏は、チャット支援機能について、宣言的なタスクやプログラム的なタスクに取り組むGoogle Cloudユーザーなら誰もが恩恵を受けられる、と分析する。

 「例えば、データサイエンティストがデータの代入のための難しいコードで使うことも考えられるし、フルスタックのソフトウェア開発者は新規プロジェクト環境のインスタンス化で使うことができるだろう。ビジネスユーザーならGoogle Sheetsの計算が不審な値を返す理由を解明するのに利用できる」(Shimmin氏)

 Google Cloudの「あらゆるスキルレベルのユーザー」という言葉の意味はこのことを指す。

 また、Gartnerのバイスプレジデント兼アナリストのChirag Dekate氏は、競合の前の問題としてクラウド開発者の不足があるとする。

 「クラウドエンジニアのスキルセットが不足していることが、大企業のクラウド受け入れの阻害要因となっており、クラウドからの価値創出も阻んでいる」とDekate氏はInfoWorldにコメント。Duet AIはこれらの問題を解決する一助になるとの見方を示している。