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グーグル・クラウド、生成AI関連を中心にGoogle Cloud Next '23の発表内容を日本向けに説明

 グーグル・クラウド・ジャパン合同会社は8月31日、米Google Cloudが8月29日~31日に開催した年次イベント「Google Cloud Next '23」での発表について、国内報道関係者向けの説明会を開催した。

 特に生成AIの分野について、オフィスワーカーから開発者までに向けたさまざまなオンラインサービスに生成AIを組み込む取り組みの総称「Duet AI」と、AIを開発する“build AI”の「Vertex AI」が中心となった。

生成AIを作る側と使う側の新機能を発表

 最初に、Google Cloudのモメンタムと今回のGoogle Cloud Next '23全般について、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 統括技術本部長(アナリティクス / ML、データベース)寳野雄太氏が解説した。

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 統括技術本部長(アナリティクス / ML、データベース)寳野雄太氏

 まずGoogle Cloudのさまざまなモメンタムを紹介。年間レベニューのランレートが320億米ドル、レベニュー成長が昨年比28%、Google Workspaceの顧客数が1000万以上にのぼるという。

Google Cloudのモメンタム

 今回のGoogle Next Cloud '23については、全体を通じて生成AIについて、作る側(build AI)の「Vertex AI」と、使う側(use AI)の「Duet AI」の2つを中心に、さまざまな発表がなされた。「この2つを通じてAIのエコシステムをより盛り上げる」と寳野氏は語った。

生成AIを作る側と使う側についてさまざまな発表

 Google Next Cloud '23の前の8月下旬に国内で開催された「Generative AI Summit Tokyo」では、同社の基盤モデル「PaLM 2」と「Codey」が日本語に対応したことが発表された(GA(一般提供))。日本語に合わせて、トークン単位ではなく文字数単位での価格設定も設けられた。

 さらに、PaLM日本語モデルをプレビューで利用した日本企業についても寳野氏は紹介した。

基盤モデル「PaLM 2」と「Codey」の日本語対応が、「Generative AI Summit Tokyo」で発表
PaLM日本語モデルをプレビューで利用した日本企業

 今回のGoogle Next Cloud '23では、GoogleのAIサービスを自社にインテグレーションしたパートナーについて、電子契約サービスのDocuSignや、ERPのSAP、財務・人事管理サービスのWorkdayの例が発表された。

GoogleのAIサービスを自社にインテグレーションしたパートナーについて、Google Next Cloud '23で発表

Google Workspaceの生成AI機能が提供開始、今後の予定も

 今回のGoogle Cloud Next '23では、Google Workspaceの生成AI機能のGAが発表された。こうしたCollaboration Cloud分野については、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 ソリューション&テクノロジー部門 Google Workspace 事業 カスタマーエンジニア 中之薗朔氏が解説した。

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 ソリューション&テクノロジー部門 Google Workspace 事業 カスタマーエンジニア 中之薗朔氏

Duet AI in Google Workspace:ビジネスアプリに生成AIを組み込み

 まずは、Duet AIの機能をビジネスアプリ「Google Workspace」に組み込んだ「Duet AI in Google Workspace」だ。Google Workspaceの中から生成AIにより、文章のドラフト作成や推敲、データ分析、会議での翻訳字幕などの機能を利用できる。

 もともと3月にコンセプトが発表されていたが、今回GAとなり、提供が開始された。今回提供開始されたのは英語版。

 これまでWorkspace Labsで100万人以上のユーザーが利用し、そこからフィードバックやアイデアを反映したという。

 なお、日本語対応については「不適切な回答など言語に依存するセキュリティフィルターの品質を確認しているところで、近い将来に日本語に対応する」と中之薗氏は説明した。

Duet AI in Google WorkspaceがGAに

Duet AI side panel:Google Workspaceのサイドパネルから能動的にサポート

 また、今後追加される機能もいくつかアナウンスされた。

 「Duet AI side panel」は、Google Workspaceに右サイドパネルとして表示され、ユーザーがいま何をしているかを把握して能動的にサポートするものだ。

 例えば上司からのメールを自動的に要約してタスクと期日を示すなど、ユーザーが指示する前に能動的にユーザーをサポートする。また、そこからユーザーが指示して、データを参照したり、スライドを生成したりもできる。

 中之薗氏はこうした機能について、アプリケーションもデータもクラウド上にある、クラウドネイティブなアプリケーションだからできると語った。

サイドパネルで能動的にユーザーをサポートする「Duet AI side panel」

Duet AI in Google Meetの機能が順次提供予定

 また「Duet AI in Google Meet」では、Duet AIが、議事録や、タスクのリスト化、ビデオサマリーなどをリアルタイムで提供する「take notes for me」を、来年以降の提供を予定している。

 そのほか、スピーカーノートを話すペースに合わせて表示したり話した内容に合わせて変更したりする「real-time teleprompting」や、翻訳字幕の強化なども予定している。「翻訳字幕は日本語字幕を含む18言語に対応し、翻訳字幕でサポートする言語のペアは300以上を予定している」(中之薗氏)。

「Duet AI in Google Meet」の強化予定

Google Chatでも生成AI組み込みなどを予定

 Google Chatでもいくつかの強化を予定している。Duet AIにより、最近のメッセージのサマリーや、検索の強化、アドホックな会議の立ち上げの強化、サポートする人数の50万人への大幅拡大などを中之薗氏は紹介した。

Google Chatの強化予定

「AIの倫理的な展開と活用」を強調

 中之薗氏は最後に、生成AIにおけるGoogle Workspaceの特徴を3つ挙げた。

 1つめは前述のとおり、クラウドネイティブで的確にユーザーをサポートできる点。2つめは、LLMなど生成AIの技術の多くを提供してきた実績だ。

 そして3つめとして、AIの倫理的な展開と活用にコミットしていると中之薗氏は強調した。「顧客のデータの活用は許可なく行うことはなく、Workspaceで設定されたポリシーや規約の範囲を超えることはない」(中之薗氏)。

生成AIにおけるGoogle Workspaceの特徴

Vertex AIの拡張機能対応などAI開発分野の発表

 Data & AI Cloudの分野については、前出の寳野氏が、「AI分野のアナウンス」「データ分析分野のアナウンス」「データベース分野のアナウンス」に分けて解説した。

Vertex AIで扱う基盤モデルが新バージョンに

 AI分野のアナウンスで、まずは、Vertex AI上で扱う基盤モデルの新バージョンとチューニングだ(GA)。

 テキストの基盤モデルの「PaLM」では入力トークンの制限が32,000に拡張し、日本語を含む38言語がGAとなった。

 また、非構造データから特徴を取り出して意味ベースのマッチングを可能にする「Embeddings」では、日本語を含むさまざまな言語が利用可能になった。

 画像生成の「Imagen」では、生成される画像の改善や、デジタル透かし機能が発表された。

 チューニング用途では、「Imagen」と「Codey」において、アダプターチューニングがGAとなった。ほか、RLHFチューニング(パブリックプレビュー)や、Imagenのスタイルチューニング(プライベートプレビュー)も発表された。

Vertex AI上で扱う基盤モデルの新バージョンとチューニングの発表

Colab Enterprise on Vertex AI:Vertex AIのエンタープライズ向けColab

 基盤モデルを扱う開発環境としては、「Colab Enterprise on Vertex AI」が発表された(プレビュー)。

 Pythonの対話型(ノートブック)実行環境「Google Colab」を、Vertex AIの中で、エンタープライズ向けに使えるものだ。エンタープライズ向けのIAMなどに基づいたセキュリティや、Google Cloudとの連携などに対応。コメントや共同編集などのコラボレーションなどや、生成AIによるPythonコードの補完などが利用できる。

「Colab Enterprise on Vertex AI」の発表

Vertex AI Extensions:基盤モデルと外部を接続する拡張機能

 「Vertex AI Extensions」は、基盤モデルと外部を接続するための拡張機能に対応するものだ(プライベートプレビュー)。これにより、生成AIが社内データを用いて質問に回答するといったことが可能になる。拡張機能は、既存のものを利用することも、自社で開発することも、自社分のものを公開することもできる。

 拡張機能の中でも、寳野氏は、「Vertex AI Data Connectors」を紹介した。外部の情報を組み合わせることでグラウンディング(接地。現実世界との結びつけ)を可能にするデータコネクターで、それによりハルシネーションの問題を軽減できるという。このような1st partyコネクターも、今回プレビューとなっている。

「Vertex AI Extensions」の発表
「Vertex AI Data Connectors」

Vertex AI Search:企業内のSGE

 生成AIを含む検索体験を非常に簡単に実現する「Vertex AI Search」がGAになった。いわばGoogle検索に生成AIを取り入れた「SGE(Search Generative Experience)」の企業内検索版をノーコードで実現するものといえる。新たに、データ種別をまたがる検索のためのカスタムEmbeddingにも対応した(プレビュー)。

「Vertex AI Search」がGAに

Vertex AI Conversation:生成AIを使ったチャットボットやボイスボットを簡単に作れる

 「Vertex AI Conversation」もGAになった。通常のワークフローと生成AIの両方を組み合わせたチャットボットやボイスボットを簡単に作れるものだ。予約や支払いなどのバックエンドシステムへの接続も簡単にできるという。

「Vertex AI Conversation」がGAに

Grounding for PaLM API / Grounding for Vertex AI Search:モデルを企業データとグラウンディングするAPI

 「Grounding for PaLM API / Grounding for Vertex AI Search」が発表された(プライベートプレビュー)。モデルに対して企業のデータとのグラウンディングを提供するもの。従来は開発する側でグラウンディングをする必要があったが、APIによってグラウンディングができる。

「Grounding for PaLM API / Grounding for Vertex AI Search」が発表

Automatic Metrics / Automatic Side by Side:モデル評価の機能

 AIはモデルの評価が非常に難しいといわれるが、そのためのモデル評価の機能も2点発表された。

 「Automatic Metrics」は、LLMに実行させるタスクに応じた定量評価をVertex AIが用意し、参考となる出力に対しての定量評価を自動的に実行するものだ(プレビュー)。

 もう1つが「Automatic Side by Side(SxS)」(プライベートプレビュー)。生成タスクは定性的な評価を伴うため自動での定量評価が難しいが、生成タスクに対して機械学習のモデルをあてて、自動評価を行い、人間の評価と組み合わせるという。

モデル評価の機能が2点発表

BigQueryの生成AI組み込みなどデータ分析分野の発表

 続いて、データ分析分野のアナウンスについて寳野氏は解説した。

Duet AI in BigQuery:BigQueryのクエリ記述を生成AIで助ける

 まずは、生成AIでBigQueryのクエリ記述を助ける「Duet AI in BigQuery」だ(プレビュー)。チャットやコメントから自然言語で「こういうクエリを書いてほしい」と指示するとクエリを生成したり、すでにあるクエリについて説明してもらったりできる。日本語にも対応している。

「Duet AI in BigQuery」の発表
Duet AI in BigQueryのデモ:自然言語からクエリを生成
Duet AI in BigQueryのデモ:クエリの内容を説明してもらう

Duet AI in Looker:Lookerに生成AIで指示

 同様に、BIツールのLookerにDuet AIを組み込むのが「Duet AI in Looker」だ(プレビュー)。会話型の指示によって、データからレポートを作成したり、さらにスライドにして説明を付けたり、計算式をアシスタントしたりできる。

「Duet AI in Looker」の発表(プレビュー)

Vertex AI基盤モデルとBigQueryの統合:BigQueryのクエリから基盤モデルを呼び出す

 Vertex AI基盤モデルとBigQueryの統合もGAとなった。これにより、BigQueryのクエリからPaLMなどの基盤モデルを呼び出す、といったことができる。ユースケースとしては、コールセンターの会話をLLMで分析して可視化するという例を寳野氏は挙げた。

Vertex AI基盤モデルとBigQueryの統合

BigQueryベクトルエンベディングとインデックス:BigQueryで意味に基づいた検索

 BigQueryベクトルエンベディングとインデックスはプレビューだ。BigQuery上でベクトルのインデックスを生成し、BigQueryの中で最近傍検索を行い、LLMを使った意味に基づいた検索をするといったことが可能になるという。

BigQueryベクトルエンベディングとインデックス

BigQuery Studio:Colab EnterpriseとBigQueryを統合

 「BigQuery Studio」は、Colab EnterpriseとBigQueryを統合したもの(プレビュー)。データサイエンティストとエンジニアがコラボレーションしたりできる。また、Pandasやscikit-learnから使えるBigQuery Dataframeにより、Pandasやscikit-learnからBigQueryの力を使って分析を実行できる。さらに、データプロファイリングや品質を自動的に分析する機能も利用可能。

Colab EnterpriseとBigQueryを統合した「BigQuery Studio」

BigQueryのAIレイクハウスとしての進化

 BigQueryは、AIレイクハウスとして進化した。BigQueryで画像や音声などの非構造化も処理可能になった(GA)。LLMとの統合により、ドキュメントから感情分析を行ったりも可能になった。「BigQueryは、単なるデータウェアハウスでなく、AIレイクハウスとして、さまざまなデータを分析できる一元的なプラットフォームとして進化をとげている」(寳野氏)

BigQueryはAIレイクハウスとして進化

BigQuery Omniの強化

 マルチクラウドに保存されたデータをBigQueryで分析する「BigQuery Omni」でも新機能が発表された。クロスクラウドジョインやクロスクラウドマテリアライズドビューによって、より一元的に分析できるようになった。また、Salesforce Data Cloudと双方向のデータフェデレーションに対応した。

「BigQuery Omni」の新機能

BigQuery Data Clean Room:異なる企業のデータを、プライバシーを保ったまま結合して集計

 「BigQuery Data Clean Room」は、パートナー企業とデータ共有するときなどに、データを保護した形でデータを共有し分析できるものだ(パブリックプレビュー)。異なる企業のデータを、移動やコピーすることなくプライバシーを保ったまま結合などを実行して、集計結果のみ取得するといったことができる。

「BigQuery Data Clean Room」発表

AlloyDBのAIワークロード対応などデータベース分野の発表

 最後にデータベース分野のアナウンスについて寳野氏は解説した。

AlloyDB AI:AlloyDBにAIワークロードのための機能を組み込む

 「AlloyDB AI」は、PostgreSQL互換のAlloyDBにAIワークロードのための機能を組み込んだもの(プレビュー)。高パフォーマンスで高スケールなベクトル検索により、PostgreSQL+pgvectorに比べて10倍高速で、4倍大きなベクトルを扱えるという。また、Vertex AIなどからシームレスに扱える。

「AlloyDB AI」の発表

Duet AI in Databases:データベースの操作を生成AIで支援

 「Duet AI in Databases」は、データベース操作をDuet AIで支援するものだ(プレビュー)。これにより、異種データベースのクエリの変換の支援や、Cloud Spannerなどの開発ワークスペースでのプログラミング支援などを受けられる。

「Duet AI in Databases」の発表

Cloud Spanner Data Boost:Cloud Spannerでトランザクションと分析のワークロードを統合

 「Cloud Spanner Data Boost」は、Cloud Spannerでトランザクションと分析のワークロードを統合するもの(GA)。BigQueryなどさまざまなワークロードを統合できる。

「Cloud Spanner Data Boost」がGAに

Cloud BigtableとFirestoreでのリバースETL

 Cloud BigtableでのリバースETL(Preview)と、FirestoreでのリバースETL(GA)も紹介された。ETLツールを使うことなく、BigQueryから直接インポートできる。

Cloud BigtableでのリバースETLと、FirestoreでのリバースETL

Database Migration Service:データベース移行を生成AIで助ける

 データベース間でデータを移行する「Database Migration Service」にも「Duet AI」が組み込まれた(プレビュー)。これにより、OracleからPostgreSQLへのデータベース移行(GA)で、生成AIを利用した移行に対応した。

Duet AI in Database Migration Service

新しいTPUやGKE Enterprise Editionなどインフラ分野の発表

 クラウドのインフラ関連の部分については、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 技術部長(インフラ、アプリケーション開発)安原稔貴氏が解説した。

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 技術部長(インフラ、アプリケーション開発)安原稔貴氏

Google cloud A3 Supercomputer:新しいAIスパコンがGAに

 まず5月に発表したAIスパコン「Google cloud A3 Supercomputer」がGAとなった。

 Intelと共同開発した独自設計の200Gbpsのネットワークチップ「IPU」(Infrastructure Processing Unit)を搭載した初めてのGPUインスタンスで、GPU間のデータ転送でCPUをバイパスして高速に通信できる。前世代のA2と比較し、10倍のネットワーク帯域幅と3倍のトレーニング性能だという。

「Google cloud A3 Supercomputer」がGA

Cloud TPU v5e:性能や拡張性が向上したAIチップの新版

 Google自社開発のAIチップの新版「Cloud TPU v5e」も発表された。性能面で、TPU v4と比較して、コストパフォーマンスで2倍のトレーニング性能と、2.5倍の推論性能という数字が出されている。また、マルチスライス技術とソフトウェア技術により、TPUポッドの物理的な境界を越えて拡張でき、1つのワークロードで複数のTPUクラスタを利用して数万チップまで拡張できるという。

「Cloud TPU v5e」の発表

GKE Enterprise Edition:GKEに大規模構成の機能やベストプラクティスをバンドル

 GKEについては「GKE Enterprise Edition」が発表された(プレビュー)。マルチリージョンの大規模な構成を管理することを想定したもの。付加機能や新機能、大規模な構成のベストプラクティスを集めて提供する。それらの複数の機能をバンドルしたサブスクリプションで提供する。なお、従来のGKE単体機能については変更はないという。

 機能としては、従来はクラスタごとの管理だったのに対し、一元的な管理が可能になった。「チームスコープ」という概念が加わり、クラスタをまたいでチームスコープを作ることで、1つの管理体として管理できる。

 セキュリティ面でも、脆弱性を管理する従来のSecurity Postureを拡張する形で、アプリケーションレベルの脆弱性検知ができるようになった。これもクラスタをまたいで管理できるものだ。

「GKE Enterprise Edition」の発表
統合したUIで管理
「チームスコープ」を作って管理
セキュリティ面でも一元管理

Cross-crod Network:マルチクラウド接続のための機能を組み合わせて提供

 「Cross-crod Network」プラットフォームは、ハイブリッド/マルチクラウド構成でシンプルかつ安全に接続するネットワークを提供する(GA)。クラウド間を専用線接続する「Cross-Cloud Interconnect」など、いままで発表されているサービスを組み合わせて、ベストプラクティスとして提供するものだ。これにより、ネットワーク遅延を最大35%短縮し、最大40%のTCOを削減し、脅威への防御が20倍向上(Ixia Breakingpointベンチマーク)すると安原氏は語った。

 最後の脅威への防御にあたるのは、組み合わせたサービスのうち、今回新発表された「Cloud NGFW」だ(プレビュー)。次世代ファイアウォールのサービスで、MandiantとPalo Alto Networksの2社と共同開発した。アプリケーションの通信データの内容を解析して不正アクセスなどの兆候に対応できるようになる。既存環境の変更は必要ないという。

「Cross-crod Network」の発表
「Cloud NGFW」の発表