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減速するクラウドに投資家は不満 それでも確実に成長

逆風の中だが、クラウドへの移行は止まらない

 クラウド市場の視点からみるとどうだろう。

 Synergy Researchの調査では、同じ四半期のパブリッククラウド市場(IaaS、PaaS、ホステッドプライベートクラウドサービスを含む)は24%増の570億ドル超で、「為替レートが昨年と同じだったら成長率は30%を超えたはず」としている。

 またCanalysの調査では市場規模は28%増の631億ドルだったが、「インフレやエネルギー価格上昇の影響で、企業は支出を削減しており、短期的にはクラウドサービスの需要に打撃を与える可能性がある」と、ややネガティブなコメントをしている。

 クラウド市場の四半期成長率が数年間連続して30%超だったことから、両社とも、このラインを切ったことを重視している。世界的な不安定とドル高の中での数字を、多いとみるか、少ないとみるか、が第3四半期の評価の分かれ目と言えるだろう。

 事業者別のシェアでは、Synergyが「AWS 33%、Microsoft 22%、Google 10%」、Canalysが「32%、22%、9%」(同順)で、3社を合わせた比率が拡大し、今回は特にGoogleが他の2社に比べてシェアを伸ばしたという点で一致している。メガクラウド3社が引き続き主役となってけん引してゆく構図は変わらない。

 そして今後の予想だが、Gartnerは、各社の決算が出そろったあとの10月31日、世界のエンドユーザーの通年パブリッククラウド支出予想(PaaSも含む)を発表した。それによると、2023年は前年比20.7%増の5918億ドルになると予測され、成長率は2022年の予想値18.8%を上回るという。最も伸びると予想するのはIaaS(29.8%増と予想)だ。

 同社のバイスプレジデントアナリスト、Sid Nag氏は「全体のIT予算が縮小するなら、クラウド支出も減少するだろう」としながらも、「クラウドへの移行は止まっていない」と述べている。