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社名変更から1年 Metaの内憂外患

MetaとAppleが「世紀の戦い」

 MetaのHorizon Worldsの月間アクティブユーザー数は30万人(2月現在)で、まだまだFacebookの29億人の足元にも及ばない。

 その上、メタバースに拡大を狙うMetaの脅威と見られているのが、Appleだ。Appleは2017年に「ARKit」を発表、毎年のアップデートを続けている。

 その当時、AppleのCEO、Tim Cook氏と話したというコンシューマーテクノロジー・ライターでアナリストのTim Bajarin氏は、Forbesへの寄稿でMetaとAppleの戦いは「世紀の戦い」だと表現する。

 同氏は、Cook氏がARを、将来的に「Apple最大の世界への貢献になる」と話したことを振り返る。10月にオランダのメディアが掲載したインタビューで、Cook氏はARを「世界を変えるような技術で、スマートフォンやインターネットのようにユビキタスになるだろう」と予想していることもあわせて紹介した。

 Bajarin氏は「MetaのVRよりもAppleのARを受け入れる人の方が多いだろう」と予想する。「VRのヘッドセットは高価だし、生活の中にVRを入れる人は少数」とした上で「ARの方が広い層に訴求するだろう」と言う。

 Appleは、さらにその先も用意しているらしい。Zuckerberg氏はThe Vergeのインタビューで、AppleのVR進出に言及した。Appleは、Meta Quest Proと直接競合する「Apple Reality Pro」というヘッドセットのうわさがある。

 Zuckerberg氏は、Appleが用意している未発表のVRプラットフォームは、「閉じたエコシステム」であり、コンシューマーにとって良くないものになるだろうと述べている。その一方で、Metaのシステムは「オープン」だと自画自賛した。

 ただし、The Vergeは、「Metaが構築するシステムが、実際にどの程度“オープン”なのか、将来どういうものになるのかは全く不明」と付け加えている。

 「内憂外患」。Metaの現状は、そう言い表せそうだ。