Infostand海外ITトピックス

「二度と開発停止の混乱は起こさない」 その後のRocky Linux

「複数のプロジェクトがあるのは良いこと」

 CentOS 8のサポートは2021年12月末に終了し、Rocky Linuxはこれまで毎月25万以上のダウンロードとインストールが常に行われているという。

 一方、RHEL互換ディストリビューションは、Rocky Linuxだけではない。ディストリビューションの人気を示す指標の1つ、Distrowatchのページヒットランキング(過去12カ月)では、Rocky Linuxは35位で、ほかに、「AlmaLinux」(28位)、「EuroLinux」(61位)、「Oracle Linux」(78位)、「Miracle Linux」(219位)などが顔を出している。

 人気で一番の「AlmaLinux」は、Rocky Linuxと同時に出てきたこともあり、両者は並んで言及されることが多い。CloudLinuxによって立ち上げられたRHEL完全互換のディストリビューションだ。

 AlmaLinuxの開発メンバーはその後、非営利団体の「AlmaLinux OS Foundation」を立ち上げ、議長には元Chef Softwareのbenny Vasquez氏が就任。元Sun Microsystemsでオープンソースの取り組みを率いていたSimon Phipps氏なども参画しており、スポンサーのCloudLinuxの色を感じさせない体制としている。

 こうしてRHEL互換のプロジェクトが複数あることについて、Kurtzer氏は「良いことだ」とThe Registerのインタビューで語っている。

 「(複数あることで開発の)リソースが分かれてしまうとは思わない。全て透明で、他の人が何をやっているのかわかるべきだ。Rockyに何か起こっても、数分もしないうちにAlmaに移行できる、あるいはAlmaに何か起こってもOracleやRed Hatに移行できる。なぜなら、それらは全て互換性があるからだ」とKurtzer氏は言う。

 そして、こう語っている。「われわれは皆同じ問題を解決しようとしているのだ」