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2021年のクラウド市場は大幅成長 3強に揺るぎなし

 クラウドインフラの市場規模が四半期として初めて500億ドルを突破した。2月に入って2つの調査会社が出したレポートによると、2021年第4四半期(10~12月期)の世界のクラウドインフラサービスへの支出総額は前年同期から30%以上の成長を記録。引き続き、好調さを見せつけた。マルチクラウド化の流れが、どう影響するかが注目されたが、AWSを頂点とするトップグループは拡大し続けているようだ。

4Q、通年とも30%台半ばの成長

 まずCanalys。IaaSとPaaSを対象とした数字(SaaSを除くことになる)で、2021年第4四半期は前年同期比34%増を達成し、市場規模は535億ドル(136億ドル増)となった。公共部門やヘルスケア分野が好調なほか、DX、在宅ワーク、遠隔ラーニング、ゲームなどの需要が急増の要因になったという。

 通年では、前年(1420億ドル)から35%増の1917億ドルにまで拡大した。

 もうひとつのSynergy Research Groupのレポートは「IaaS、PaaS、マネージド/ホステッドプライベート・クラウドサービス」を対象とする。第4四半期の市場規模は505億ドルで、前年同期比36%増。通年では1780億ドルで、前年比37%増を記録した。「クラウドサービスの価値と魅力を実証した」(チーフアナリストのJohn Dinsdale氏)という。

 ベンダー別では、やはりAWSが首位を維持している。Canalysによると、第4四半期のシェアは33%で、Microsoft Azure(22%)、Google Cloud(9%)を引き離してトップ。MicrosoftとGoogleも追い上げており、成長率ではそれぞれ46%、63%と大きく伸長した。

 AWSは40%増と率では譲るものの、そのシェアは30%台前半を維持しており、全く落ちてはいない。この3社に中国で強いAlibabaを加えた4社は、いずれもシェアを増やすか同レベルを維持している。結局のところ、その他の各社が食われているという状況だ。

 AWSの業績について、Canalysは同四半期にMeta(旧Facebook)の長期的な戦略クラウドプロバイダーに選ばれたことをポイントとして挙げている。さらに、Nasdaqのクラウドベース取引所の契約を獲得したこと。財務サービス、ヘルスケア、小売りなど大型案件が成立したことなども紹介している。