Infostand海外ITトピックス

DigitalOceanがIPO “代替クラウド”の武器は「シンプルで安価」

大手並み成長率の期待

 成長性の面はどうだろう。Form S-1によると、まだ黒字化は達成しておらず、2020年の損失額は4360万ドル(前年同4040万ドル)。収益成長率は25%で、142倍の収益のある黒字のAWS(29.5%)と比べて低い。

 それでも、DigitalOceanのような小規模なクラウド事業者にチャンスはあるとITPro Todayはみる。

 「ビッグ3以外の代替クラウドを選ぶ」と題して、DigitalOcean、Linode、OVHcloud、VEXXHOSTの4クラウドを点検した記事で、S&P Global Market IntelligenceのリサーチディレクターLiam Eagle氏は「“代替クラウド”カテゴリにフィットするようなタイプの企業は、パブリッククラウド市場全体に近いペースで成長している」と述べている。

 S&P Global Market Intelligenceの調査では、企業がクラウドの受け入れを加速する要因として、コスト、性能、アベイラビリティ、セキュリティ、ビジネスのアジリティが挙がったという。そして、「代替クラウドは低コスト、サービスのシンプルさ、簡単さにフォーカスできる」(Eagle氏)とその強みを解説している。

 いま、株式市場はハイテク株を中心に高値が続いており、バブルの様相だ。IPOも活発で、2020年12月のAirbnbは初日に115%上昇した。そんな中で、DigitalOceanは地味に見える。だが、潜在可能性は十分と言える。

 DigitalOceanはIPOで調達した資金を活用して、開発者コミュニティ、製品、データセンターなどを強化していく計画という。